地球温暖化とアザラシ漁は別問題
写真の赤ちゃんは「報道ステーション」でへたくそな泳ぎぶりを見せていた赤ちゃんです。3月10日の撮影で、この後ろはもう大西洋という場所です。着氷できた最後の日です。
ちなみに後ろで顔を出しているのはお母さんではなくてオスですね。
今年泳いでいるのを見たのはこの子だけだったので、よくあれを撮っておけたなあと我ながら思っています。
泳ぎ出した赤ちゃんを撮るのは簡単なのですが、水に入るのを待つのは大変です。この子なら入るという確信がないとなかなか待ちきれません。この日はあちこちで泳ぎを待っているカメラマンがいましたね。このあたりが18年の経験の違いです。
さて今回のカナダの流氷の問題とアザラシ漁の問題をからめて考える意見に注意をしておこうと思います。
温暖化の問題とアザラシ漁の問題は別問題です。そしてアザラシ漁師たちはむしろアザラシと一緒に、温暖化の被害者でもあります。このことを忘れては問題の解決はありえません。
地球温暖化でアザラシの生態に深刻な影響が出るだろうから、即刻アザラシ漁を止めるべきだという考えは、一見もっとものように見えますが、一番肝心なことが違います。
地球温暖化でアザラシの生態に深刻な影響が出るだろうから、即刻温暖化対策に全世界で取り組むべきだ、という大事なことを、差し置いてしまっているのです。
この考え方は地球温暖化による被害の原因を、まるでアザラシ漁とそれを止めないカナダ政府かのように、問題のすり替えに近い発想を導きかねません。温暖化のスケープゴートに他の問題を見せてしまうと、肝心の温暖化への対策が遅れてしまいます。
これはカナダ政府にもいえます。アザラシ漁の漁獲制限数を減らしたくないがために、この温暖化によるアザラシの被害を過小報告してはいけません。あの群れが非常に大きな群れだったことは、群れの全体を飛んでいる私や他のガイドは知っております。ここ数年で見た一番大きな群れでもあります。
逆にいえばそこしか産めるところがなかったために湾全体のアザラシがそこに集まっていました。
3月2日に群れの一部を撮った写真です。どこまでもアザラシの点々が続いています。この群れが大きいことと、氷がすでにボロボロであったことが判ります。
地球温暖化問題では問題を直視すること、自分にできる対応をすぐにでも取ること、が個人に求められています。個人は小さいことを積み重ね、政府や企業は大々的に取り組みをリードする。
なんだかんだこの急変はたった10年の間に急速に進行しているのです。対応は急ぐ必要があります。
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コメント
はじめまして、写真家さんのブログは、美しく、勉強」になります。私も、なるだけ、自転車や歩くようにしてます。今回は、有名人ブログ50サイトにコメント入れてみました、という企画で参りました。よかったら、異業種ブログ100サイトにコメント入れてみましたの、結果記事がありますので、遊びに来てください。移動が多そうなので、お体気を付けてください。
投稿: bibu33 | 2007年4月11日 (水) 14時32分
bibiu33さん
コメントありがとうございました。
投稿: 小原 | 2007年4月12日 (木) 15時36分
小原さんの写真大好き人間として、初めて投稿させていただきます!
地球温暖化に対して自分にはどんなことができるのかと、考えてしまいます。便利な世の中を居心地良しとしている自分と、人間の便利さ都合よさだけで自然を破壊していっていいのかと考えている自分といます。できそうでできないストップ・ザ・温暖化!!でもしなければ自分自身も破壊されていってしまいますね。身近にできることをもっと真剣に考えていきます!!人間の傲慢さで動物、植物を絶滅させてはいけませんものね!
投稿: junko/ito | 2007年4月12日 (木) 20時46分
junko/itoさま
コメントありがとうございます。
このような温暖化の現実を前にして、さあ自分たちは何ができるのかと考えると、
やはり個人が出来ることは微々たることでしかないと思います。
それならばいっそのこと、
「アザラシの赤ちゃんが好きだという気持ちを大事にしよう」
ということ、それがすべての行動に反映されるのではとも思います。
「好き」という言葉の持つ行動力非常に強く、世界を変える力があると思います。
投稿: 小原 | 2007年4月12日 (木) 21時34分