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2008年5月28日 (水)

暗い山の中でも

 とある南の島の山小屋で一晩すごしました。そこの、とある場所でホタルが出たらすごいだろうなとかねてから目を付けていたのですが、大事なことを間違えていました。この島は九州と陸続きになったことがなかった島なのです。だから九州のホタルの分布状況を元に想像していたのでは、生息があたりません。
 でもせっかく来たのだから、一応確認しておこうと夜の山に入り、そこでカメラをセットして待ちました。昼間は次々人がやってくるこの場所も夜は誰もいません。はい。とっても怖いです。
 本物の森なので真っ暗になります。空は樹で覆われて、ほとんど見えません。そんなところに夜1人でいるなんてなんて因果な商売でしょう。地元の人にもし見かけたら教えておいてといって、誰かが見つけるのを待つのも手でしょうが、それで見つかることはほとんどありません。あちこちの自然林のホタルは自分とそれをアドバイスしてくれた学者の方とで、自ら行って見つけてきました。
 何か不気味なものが出て来てもおかしくなさそうな闇が近づいて来た頃。明りをつけた髪の毛が短い男性がやってきました。この上の小屋で泊まる予定の方ですが、わざわざ降りて来て、夜の観察を付き合ってくれました。
 ありがたいです。不思議なのがどんなに怖い自然の森の中でも、誰かと一緒にいるととたんに怖さがぐっとやわらぎます。そしてなんとこの方の職業がお坊さんです。なので何か出て来ても、お経を唱える力がありますので安心です。
 二人で目を凝らして見ましたが、ホタルは出て来ませんでした。
 暗い森をお坊さんが盛っていたSureFire(高性能懐中電灯)の明かりで歩き、山小屋に到着し、しばらく星を見ながら宗教談義をしました。
 湾岸戦争時にエルサレムで見た3大宗教の聖地の話、ベツレヘムでの外出禁止令下のクリスマスなどの話や、天安門事件やソマリア、そして地球温暖化、色々な話をそのお坊さんと語りあいました。戦争をしない仏教という宗教、釈迦を人と認めている仏教、仏教って素晴らしいものをもっているのですが、奥が深すぎますが、判りやすく色々説明してもらえました。
 とある島の深い闇で語る仏教談義面白かったです。

 翌朝、ホタルはいなくても素晴らしい朝の森の景色を見ることができました。
 森は夜よりも朝がいいですね。

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コメント

南の島から戻って、暫くたちました。
蛍を見逃した、行きずり坊主です 何時ぞやは南の島での楽しい一時をありがとうございました。

久しぶりに、星を見ながら語りました。忘れていた、のびのびとした気持ちを思い出し、毎日が楽しいです

紹介していただいた本を買ってみました。 また連絡したいと思います

投稿: 行きずり坊主 | 2008年6月 2日 (月) 13時10分

行きずり坊主さま
どうもありがとうございます。お待ちしておりました。
私も非常に楽しい一時を過ごせました。
勤務先のお寺はすごく女性に人気がありますね。
妻を初め、いろいろな女性にうらやましがられました。
さっそく本を入手とはまた勉強熱心な行きずり坊主様ですね。
うれしいです。今後とも宜しくお願いします。

投稿: 小原玲 | 2008年6月 2日 (月) 16時58分

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