流氷とアザラシの危機その後
明日1日発売のナショナルジオグラフィック日本版2008/7月号に4月に知床で撮影したクラカケアザラシの記事が掲載されます。撮影した当時の日記があります。そして、その後の報告がこの日記にあります。
今年の北海道の流氷が解けるスピードは異常でした。4月11日から14日までの間にオホーツク海の流氷はほとんどすべて消えてしまいました。今年の流氷は北海道に接岸したことから多いかのような印象を持たれていますが、オホーツク海全体では必ずしも多くありませんでした。そして桜の開花が史上最速だったのと同じく急速に春が来て、流氷が消えてしまいました。
私は今年北海道の沿岸で産まれたアザラシの赤ちゃんは全滅しただろうと、過去19年間のカナダの流氷取材の経験から思っています。
この事実を伝えることができたメディアは、まず流氷の様子がおかしいぞという段階で「週刊文春」がモノクログラビアで伝えてくれました。そしてその危惧どおりの事が実際に起こり、私はこれを伝えなくてはいけないと各メディアに連絡をしたのですが、残念ながら反応はあまり良くなかった。その理由が「アザラシの写真を季節もので載せてしまったから」「シャチの写真をシャチ観光が始まるという記事で出すから」などというものでした。
色々記事を掲載してくれるメディアを探すのに苦労しましたが、さすがにナショナルジオグラフィックはすぐにこのニュースの意味を理解してくれました。
また北海道のテレビや東京のテレビはダメでしたが、名古屋のNHKがお昼のトークショー「さらさらサラダ」への出演という形で、これを伝える機会を作ってくれました。
遅ればせながら大新聞の科学記者も取材に動き出してくれています。サミットで配布する英文資料にこの記事を載せてくれる新聞も現れました。
またこの問題を「特集」したいという雑誌も現れ始めています。
そしてサミット関連で講演される学者(オホーツク流氷科学センター青田昌秋所長)の方から写真の貸し出しの申し出もありました。
このブログを見た方々から講演依頼や写真展のお話も色々といただきました。ありがとうございます。多分今年は講演回数が50回/年以上になると思います。そのほとんどが聞いて下さった方の口コミの評判で伝わっているのが嬉しいです。
少しずつですが、私の伝える役目が適えられ始めました。
この流氷とアザラシの問題は、今年の春の異変で終わらせてはいけない問題だと思っています。ナショナルジオグラフィックの記事にもコメントしてくださっているオホーツク流氷科学センターの青田昌秋所長の流氷の勢力と気温の変動の研究では、50年後に流氷が無くなる可能性も推察されています。私はそれが決して大げさな話でないことを、この19年間のカナダの流氷の推移から知っております。
地球温暖化は地球全体に起こっている問題です。流氷だけアザラシだけに起こっている問題ではありません。たまたま流氷やアザラシの赤ちゃんでの被害や変化が目につき易かっただけです。人間にも当然起こっていることなのです。
私にはミャンマーのサイクロンとこのアザラシの赤ちゃんを襲った異常気象がまったく同じものに見えます。
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