北極の氷は増えているのか?
昨日フジテレビを見ていたら武田邦彦さんが「北極海の氷は過去最高に増えている」と発言していたので、気になって調べてみました。発言の趣旨が武田さんが主催するHPニュースにありましたのでリンクします。
元になったのはInternational Arctic Researchのデーターです。
たしかに瞬間的に「11月としては」過去(記録がある2002年から)最高になっています。しかし、これをもって「最高値」というのはいかがであろうか?全記録の最高値ではなく、11月比較という限定的な比較だからだ。ふつうこのような場合に「過去最高」という言い方はしないのに、テレビで発言することによって、「過去最高」という言葉だけが一人歩きしてしまうことを危惧します。
ただし、たしかに2008年に関しては前半も氷は増えていて、この秋口からの再増加も増えているが、注目すべきは、夏には、どどっと減ってしまっていたことだ。(2007年夏が最小で、2008年夏がその次)こちらの方がよほど意味としては重い。
流氷をずっと見て来て感じていたのだが、流氷の異変を警告しだしたこの10年、時によっては氷が多かったりした年もあった。それを見て、「ああそんなに深刻ではないのかも」と思いたくなったこともあるのだが、氷が解けるのが早かった。氷は少し寒い日が続けばすぐに広くできるので、大きさでだまされてはいけないということが私の体験から伝えたいことです。地球温暖化の異変は解けるスピードにあると私は思っています。なのでその意味では2007年も2008年も良くないデーターです。
そして何より問題は北極海の氷の面積の変化ではなく、地球温暖化の変化です。これはそのままイコールではありません。
それと「温暖化でかえって日本は住みやすくなる」のような発言もありましたが、この発言にも私は異論があります。地球温暖化で問題なのは「温度が上がること」ではなく、「急速に温度が上がる」ことです。ゆるやかな変化ならば自然や人間はそれに対応していくことができます。しかし、現在の温暖化による変化のスピードはそれを上回っているように見えます。
武田邦彦さんの著書はひと通り読んでいるが、私はおもむね好感をもっています。ペットボトルのリサイクルや、ゴミ分別の問題などに潜む矛盾を指摘した意味は大きい。しかし、テレビというのは非常に怖い媒体です。武田さんの考えを通り越して発言が一人歩きしかねない。
武田さんのような疑問を呈することは非常に大事です。
しかし、それをそのまま鵜呑みにしないできちんと「考える」ことが重要です。きちんと考えると私は上記のように異論を呈します。
ただ・・来シーズンのカナダのアザラシの氷は良いような予感というか期待を持ちます。
追伸:この記事の続編を書きました。(1/8)
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