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2009年1月27日 (火)

「流氷の伝言」(教育出版)

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 2月初旬に新刊「流氷の伝言 ーアザラシの赤ちゃんが教える地球温暖化のシグナル」(教育出版)を出します。店頭にならぶのは来週早々ぐらいでしょうか。既に一部のネット書店のHPに予告が出ていますので、ほんのちょっと前ですが報告させていただきます。
 子どもに読んで欲しいがために、書き方やルビを小学生向けに設定しましたが、もちろん大人にも読んで欲しい本です。目次の内容をご紹介します。

「流氷の伝言 ーアザラシの赤ちゃんが教える地球温暖化のシグナル」
1.プロローグ
2. アザラシの赤ちゃんと流氷
3. 流氷の異変
4. 被害は日本でも
5. 私たちはどうしたらいいのか
6. 自分で感じて自分で考える
7. 自然が望むこと
8. 未来をつくろう
解説 海からのすばらしい贈り物 流氷 (青田昌秋)
  装丁・デザイン:三村淳、三村漢
  教育出版株式会社

 このように流氷とアザラシの関係と、20年間の取材を通して見た地球温暖化による異変、それを見た人間としてどうしていくべきか、その考え方を子どもたちに向けて語る内容です。ちなみに我が家の子どもたちも写真で登場します。私が子どもたち向けに講演するときの内容をそのまま本にしたようなものでもあります。

 発送は北海道での講演から戻ってきてからになるので、店頭販売より遅れると思いますが、サイン入り初版本をご希望の方はメールをいただければ対応いたします。本体1,500円+税=1,575円 送付はEXPACK500円か「ゆうメール(旧冊子小包)」290円のどちらかをご指定ください。代金は銀行振込でお願いします。またサインに「○○さんへ」を加える場合はその内容もお伝え下さい。

 価格は1,500円ですが、96ページもある非常に内容の濃い本になりました。
 自信作です。宜しくお願いします。

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2009年1月26日 (月)

NEWTON3月号、紋別写真展

Newton 今日から店頭に並んでいる科学雑誌「NEWTON 3月号」で昨年の北海道の流氷とアザラシに関する記事が10ページ掲載されました。北海道立オホーツク流氷科学センターの青田昌秋所長の解説記事もあります。流氷と地球温暖化に関して非常に判りやすいページになっています。

 その紋別市のオホーツク流氷科学センターで2月1日から3月2日まで写真展を行います。2月1日は講演も行わせていただきます。ご来場いただければ参加できるようですので、お近くの方はよろしくお願いいたします。会場では最新刊の「流氷の伝言ーアザラシの赤ちゃんが教える地球温暖化のシグナル」(教育出版)を販売いたします。できたてのホヤホヤ状態で会場に届く予定です。この本の内容については次回に。

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2009年1月22日 (木)

EOS 5Dmark2動画

 結局 EOS 5D mark2 を2台導入しました。1D系のカメラに比べて重量と大きさがかなり減って助かります。このカメラを気に入った理由の1つがフルハイビジョンの動画撮影です。
 私は時々民生用のハイビジョンカメラを回し、それでニュース番組の全国放送で流してもらったことなどありますが、確実に「売れる動画」が撮れると判っていないときに、ハイビジョンのセットを持っていくのは大変です。私のカメラはCanonのXLH1という大型のカメラだし、ビデオはそれ以外に三脚やマイク、バッテリーなど付随する荷物が色々あります。
 また動画を撮りだすとどうしてもスチールがおろそかになります。動画のギャラは写真よりはるかに良いのですが、写真は何年も売れるのに比べ、動画はその旬が短いです。放映されるのも一瞬だけです。
 個人の写真家としては目先の動画よりも、一生残せる写真を中心にしようと思っているのですが、動画を完全に捨てるのはもったいないです。
 そんな私にもってこいなのが5Dmark2の動画撮影機能です。これならスチルの片手間に撮ることができます。そしてそのクオリティは非常に高い。XLH1より奇麗なんじゃないかな。もちろん操作性などは劣りますが。
 内蔵のマイクは使い物にならないので、RODEのVideomicを付けました。ファインダーを覗きにくくなりますが、非常にいい音を拾ってくれます。いかんせん音声をモニターできないのは残念ですが、次の代には動画機能はもっともっと改善されるでしょう。
 あと環境音用にSONYのPCM-D50を発注しました。これで背景の環境音を別録りして、ソフトで重ねようと思っています。
 今年のアザラシで試すのが楽しみです。
 

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2009年1月18日 (日)

銀塩カメラとさようなら2

先ほどの記事を書き、下取りに出すカメラを掃除しながら、私が今まで使ってきたカメラを思い出していました。

中学生から高校生のころ:アサヒペンタックスS2 これで写真を始めました。
高校生:壊れたペンタS2の替わりに母親が買ってくれたキヤノンAE-1 これで高校生日本一になりました。その賞品でキヤノンF-1をもらいました。
大学生:F−1とAE-1、あと中古で買ったFT−bで写真部漬けの生活を送りました。

プロになって:当時の報道写真では1/250シンクロによる日中シンクロ写真が必要だったため、ニコンに買えました。F3とFM2、途中からFAです。AF時代になってF-801。お金があったのでライカのM3、M4−P、M6なども使いました。
ニコンのプロサービスのおみくじの様な名字のスタッフが、「メンバーカードの更新がされていないので修理を受けつけない」というので、「それじゃ仕事に使えない」と更新をさぼっていた自分の非は忘れて、頭に来てその場で銀座に行ってニコンを売り払うことにしました。次に使い出したのがライカR-4.2, ライカR−6。ライカの写りは最高で、特にモノクロ写真ではニコンと大違いでした。でも故障も多かったし、重かったなあ。

動物写真家になって:アザラシの最初の撮影の年、ライカRはモーターが止まってどうしようもなかったのに、隣で使われていたEOS RTは問題なくさくさく動くので、こんな寒いところでライカなんて気取っていられないという気分になり、EOS-1に替えました。写りはライカの方がいいのですが、ライカで撮ってもEOSで撮っても、写真のギャラは変わりません。特に印刷したら両者の違いはまず判りません。EOS-1が故障してEOS-1nに、同時にEOS5を併用しました。このEOS 5もコストパフォーマンの良いカメラだったですね。そういえばこの頃ペンタックス645も買ったのですが、バブルがはじけて仕事が減って手放しました。

ホタルの撮影が始まって、高感度が必要なために増感現像するため、フィルムサイズを大きくしようと、マミヤ645のセットを導入しました。マミヤ6453台と4x5判のスピグラでホタルの撮影は行なっていました。とても車でないと動けないセットでした。

2001年、アザラシの流氷の元にシュナイダーさんが持って来たのがEOS D30というキヤノンのデジタルカメラ、お願いして氷の上で少し使わせてもらったのですが、撮った写真がすぐ見られるという「夢」のようなカメラでした。この時に撮った写真は「流氷の物語」や1月末に出版する「流氷の伝言」(教育出版)でも使用しています。300万画素しかない、この頃から十分実用域に達していたのです。
これをホタルの撮影に使ってみたい。少なくともポラロイドカメラの代用ぐらいにはなるだろうと思って購入。ポラの代用どころが写真集でも何カットか活躍しました。

それからはデジタルカメラ一筋です。
EOS D30, 1D, D60, 1Ds, 1Dmark3, 40Dと来て、今回のEOS 5Dmark2です。
比較的長く使えたのが1Dsですね。1Ds以降完全デジタルになりました。2003年から2007年までのアザラシで使ったかな。その気になれば今でも仕事で使えるカメラですね。

プロ写真家のなかにもいまだに銀塩一筋の人もいます。そんななか、「もし中判銀塩を指定の依頼撮影があったら」と思い銀塩カメラも残しておいたのですが、そんな話は3年前に一度ありましたが、「表紙でも1Dsなら十分ですよ」と話したらデジタルになりました。遊びで使うのにも何千円の現像代と時間がかかってしまいます。
とうとう銀塩カメラとはさようならの時期ですね。

それにしても写真を始めてからの30年ちょとで随分色々なカメラを使ってきたものです。上に書いていないものや、複数台のものもあって、数を数えてみたら30台ちょっとでした。なんだかんだ銀塩のころを含め、ならすと年間1台だったのですね。

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銀塩カメラとさようなら1

 最近新しく手に入れたのがデジタル一眼レフのEOS5Dmark2。画素数は2110万画素。もう35ミリ判フィルムの比ではない。中判カメラの645などと比べても遜色ない画質が得られる。しかもボディ価格は20万円代前半と、フィルムカメラの高級機と同等にまで下がった。
 すでに私は完全にデジタルに移行して数年が経つが、画質だけでなく、値段までこなれて来たのだ。
 かつて私は毎年3月のアザラシの撮影でフィルムを200本ほど使用してきたが、現像コストを足すと40万円近くかかっていた。それを考えればデジタルになって大助かりである。氷の状態によって撮影枚数は変わるが5,000-10,000ショットですね。フィルム本数にすれば140〜280本と同等なのですね。さらに最近は下手にフィルムで撮るとスキャンニングの費用がさらにかかる。
 EOSのD30-D60-1D-1Ds-1DMark3-40D と色々購入して使って来たが、この5Dmark2は非常に完成度が高いカメラだと思う。画質、値段、大きさなど総合的なバランスがほど良い。スポーツなどを撮る人には駒速が遅いと気になる人もいるかもしれないが、どうせ連写しても撮れないものは撮れないので、駒速よりも連続撮影枚数の方が気になる。この5Dmakr2は画質をjpegに落として使えば、非常にサクサク撮れるし、jpegの絵は初期のデジタルカメラと比べ物にならないほど美しい。
 1D系に比べて小さいのは非常に助かる。今は飛行機で運べる機材の制限もうるさいし、私は車使用を減らしているのでザック一つで運べる機材が基本だ。
 できれば同じカメラ2台がバッテリーや充電器を共用できていい。そうやって機材を少しでも減らしていきたいのだ。あまりにも5Dmark2が気に入ったので、残っている初期のデジタル一眼や銀塩カメラを一斉に処分して、足しにして、もう1台買おうと思っています。
 「螢」(ワニブックス)の撮影で活躍したマミヤ645は、なんだかんだでとっておいたのですが、さすがにもう私は使わないでしょう。銀塩で撮るには露出計やらフィルター、ポラバックやら大荷物になってしまいます。
 それ以上の画質を5Dmark2だけで可能にしてくれます。すごい時代になりました。
 

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2009年1月13日 (火)

アザラシウォッチング2009

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 そろそろ今年のアザラシ・ウォッチングを考える時期になりました。写真は2005年に来られたH姉妹です。こんな風にヘリコプターで流氷に向かい、アザラシの赤ちゃんに近づくことができます。
 このブログのそれぞれの年の2月〜3月にはアザラシ・ウォッチングの記事が色々とあります。特に3月はほぼ日記のように記載していますので、様子が判るかと思います。ちなみに2008年2月3月の記事、2007年2月3月の記事です。2008年が氷が良かった年、2007年は氷が悪かった年です。
 基礎情報は2006年10月11月に色々載っていますが、内容は年々少し変わります。例えばオプションの犬ぞりは今年はないと思われます。催行期間は2009年は2月28日から3月14日まで募集しているようです。
 気になるカナダの流氷ですが、1月11日の流氷分布図はこの数年で一番良いです。このまま流氷が増えて行ってくれれば今シーズンはいい流氷に恵まれるような予感がします。比較の為に2006年2007年2008年のチャートにリンクさせておきます。
 シャトーマドリノのオペレーティングに関しましては日本語のHPもできています。ただ英語の方が詳しい情報が記載されています。
 日本からカナダの便数が減っていますので、飛行機のシートの予約などは早めにお進め下さい。


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2009年1月 9日 (金)

北極の氷は増えているのか(2)?

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 写真は2008年4月の北海道の最後の流氷です。海から氷が消える時のものです。
 先日書いた「北極の氷は増えているのか?」にアクセスが多いようです。
 テレビ番組を見て感想を書いただけなのに、元の番組が話題性を演出しているような構成だったために、みなさんの関心も高いようです。
 流氷の減少とアザラシの被害を訴える者として考えをまとめておきます。

 フジテレビで武田邦彦さんが説明したり、先のブログのコメント欄にスパイラルドラゴンさんがリンクされた説明動画のように、北極の氷は増えているじゃないか?との意見が出ているようです。

 この増加を語る意見に欠けている視点があります。それは「氷の面積と温度はそのままでは相関しない」ということです。つまり氷の面積が広いほど寒い、狭いほど暖かいとは言い切れないのです。それは面積だけでなく、氷の厚さも重要だからです。また海の氷は-1.8°Cから凍り出します。なので氷自体は結構簡単にできるのです。特に氷が解けたばかりの塩分濃度が低い水は再氷結しやすいです。このような氷を含んでいるから北極の氷の面積が秋から冬に多く見えるのだと私は考えます。

 なので「北極の氷の面積が増えているから、地球温暖化は一段落したのでは」という武田先生の考えは間違っていると私は思います。氷の厚さを考慮していないからです。ただし、これを持って武田先生のすべての研究や著作を疑うものではありません。ペットボトルやプラ資源のリサイクルの現状に異議をはさんだ著書は私も評価しています。

 では氷の厚さを考慮して北極海の氷の増減を比較するにはどうしたらいいか?そこで注目されるのが1年のうちで最も氷が少なくなる時期の面積です。この氷の面積が「多年氷」の面積といえます。1年以上継続して北極に存在するという氷の面積という比較ができるわけです。こちらは減少傾向にあることが認められます。

 この多年氷も増減します。特に2007年の夏に最少となったあとで、2008年には増えています。それで地球温暖化は「一息ついたのでは」というのは早急です。可能性はあります。しかし、もっと長い期間の観察で比較しないといけません。年ごとのバラツキを排除して長期的な比較をする必要がでてきます。

 このような研究で私が一番評価しているのが、北海道立オホーツク流氷科学センターの青田昌秋所長の研究です。青田先生は流氷の観察期間が厚さと相関があることに注目し、流氷の面積と観察期間をかけることで「流氷勢力」という指数を定義しました。それと平均気温をグラフ化します。
 その際に前後30年間の平均を取る(移動平均)ことによって、年ごとのバラツキを排除しました。気温と流氷の減少がはっきりと判ります。
 網走気象台に1892年からの記録があったためにできた長期的な研究ですが、このグラフは氷の厚さを反映している研究として非常に意味深いものです。他国の研究でもこれほどのものを私は知りません。

 現在私が作成中の新刊「流氷の伝言ーアザラシの赤ちゃんが教える地球温暖化のシグナル」(教育出版)と現在執筆中の雑誌ではこの研究も合わせて掲載させていただいております。どちらも1月末ごろに発売されます。

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2009年1月 8日 (木)

ガザが心配

 私が報道カメラマンだった20年近く前、湾岸戦争時にイラクからイスラエルに飛ぶミサイルを取材していました。イスラムの聖地でもあるエルサレムにはミサイルは飛ばないだろうから、エルサレムで待機して、ミサイルが飛んでくるとテルアビブに車で向かったものだ。
 弾頭に何も着いていないただのミサイルの被害は実は大したことはない。被害にあった人には悪いが、家が2軒ほど壊れるだけだ。なのでミサイルの着弾地を見つけるのは容易ではなかった。同じ地区内にいてもそう簡単には見つけられないのだ。
 同じ時期、イスラエル軍はパレスチナの住民の家を多く破壊していた。数が多いのでこちらは簡単に見つけられた。テロリストの親族だというだけで家が破壊される。世界の目はイラクからのミサイルに向けられていたが、もっと多くの家がイスラエル軍によって破壊されていたことを知った時には愕然とした。
 しかし、外出禁止令下のパレスチナ西岸に潜り込んで撮影した、それらの破壊された家と家族の写真のほとんどは日の目を見なかった。私が所属していた米国の通信社のオーナもユダヤ人だし、主要な米国メディアはユダヤ人が経営していた。反イスラエルのニュースはアメリカでは遮断されてしまうのだ。

 当時のガザにも入った。ガザに入る検問も非常に厳しかったが、当時はなんとか入ることもできた。
ガザの子供たちの多くが怪我をしていたが、イスラエル兵士がゴム弾をあえて顔を狙って打っているのが推察された。頭や顔の怪我が非常に多いのだ。小学生ぐらいの子どもたちの頭にあえて銃口を向ける兵士たちの存在が信じられなかった。

 イスラエルにいる間なんどイスラエル人から「セキュリティ」という言葉を聞いただろう。セキュリティのために武力を使うという理屈だ。10人程度のイスラエル人へのロケット弾からセキュリティで守るために600人近いパレスチナ人を殺すという論理だ。今も変わらずこの言葉が会見で飛び交っている。
 世界中、こんなことをやっている場合じゃないくらい景気対策や環境対策に取り組まないといけないのに。イスラエルという国はまったく・・・。オバマがいいかげん見切ってくれるといいのだが。

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2009年1月 1日 (木)

あけましておめでとうございます

090101_142002001  名古屋から帰省する道中に見た富士山です。携帯電話のカメラです。 普段は長野周りで帰るのですが、今年は雪を避けて東名周りで帰ろうとしたら、あちこちで事故渋滞があり、下道に下りてこの景色にあたりました。

 普段東名を通るときはなかなか見えない富士山が年末年始にはくっきり見えます。そしてなぜか仕事納めが終わってから正月3が日の間は、気温が低くなるような気がします。この頃に急に大雪が降るのもよくあります。

 なんとなくたった日本の経済活動が数日止まるだけで天気や気温に大きく影響を与えるような気がしてしまいます。

 そうだとしたら、温暖化の速度が想像以上に早かったのと同様に、少し人間生活の変化でその速度の低下が現れるのも意外と早いのかなとも思います。今回の世界的な不況が地球温暖化にどのような影響を示すのでしょうか。今年はその変化に注目です。

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

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