紋別 オホーツク流氷科学センター
紋別の北海道立 オホーツク流氷科学センターにて写真展が始まりました。開催日の今日は基調講演を行なわせていただきました。紋別は流氷と人間が密接に関わる街です。流氷科学センターは世界中でもっとも流氷のことを判りやすく学べる施設です。こういった施設はありそうでありません。ほんとカナダに欲しいです。展示は非常に興味深く、いろいろ実践的なものがあります。寒冷地でのシャボン玉の様子なんて初めて知りました。センターの所長の青田昌秋先生には最新刊の「流氷の物語」の解説を書いていただいたのですが、流氷の研究の第一人者です。先生の「白い海、凍る海―オホーツク海のふしぎ」では1993年発行時に、すでに地球温暖化と流氷に触れていました。フィールド重視の学者の目はすでにその頃から流氷の異変を感じられていたのですね。この本は流氷のことを学ぶのには世界で最高の本です。
紋別には流氷科学センターの他にも、とっかりセンターやオホーツクタワーやガリンコ号など流氷に関する施設が色々あります。またアイスランド共和国という氷で作られた施設が今年もオープンしました。
今年は北海道は暖冬で流氷の接岸が遅れています。カナダのセントローレンス湾が寒くて流氷がすごく多いのと逆です。こういった年は過去にもなんどかありました。
それでも遅れた流氷が紋別に近づいています。明日はガリンコ号に乗ってみようかなと思っています。実は私は初代のガリンコ号が就航する時(1987年)に雑誌の取材でガリンコ号を撮影に来ています。初めて流氷を見たのも、撮ったのもその時です。カラーで白い流氷の露出を決めるのに緊張したのを覚えています。まさか将来、流氷の上の写真家になるとは思ってもいませんでした。
写真展ですが、会場では新刊の「流氷の伝言」のほか、オリジナルプリントも販売していただいています。選びに選んだ和紙にプリントしたものです。和紙は世界中の紙で最高の保存性を持ちます。流氷とアザラシの光景を後世に伝え残したいとの思いから、最高の保存性の紙を厳選したものです。
越前鳥の子紙の名工、梅田太士さんの遺作の紙です。この紙にプリントした写真は見るほどに心が安らぎます。科学漂白された真っ白っけの洋紙と全然違い植物繊維本来の生成り色です。日本の自然と文化が産んだ傑作の紙です。会場を訪れる方はこのプリントもお見逃しなく。
最高に心を込めて作ったプリントだからこそ、お金持ちの倉庫ではなく、本当にこの写真を好きな人の身近で飾ってほしいとの気持ちから、オリジナルプリントとしては非常に安い価格設定にしているつもりです。
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コメント
小原さん、こんばんは。
紋別ご訪問ありがとうございました。
今日はガリンコ号は出航したのでしょうか?。
海氷情報ではかなり流氷が南下しましたが、
まだガリンコ号が届く距離ではないかもしれませんね。
滞在中いろいろとお話しすることができて、
たくさんのアドバイスをありがとうございました。
昨日の、長年に渡る状況証拠に基づく温暖化警鐘の特別講演は、
とても説得力があってわかりやすかったです。
地元紋別でも同様に流氷が減少傾向にあるので、
共感した市民が多かったと思います。
購入した新刊の本を読むと復習にもなりました。
これからのますますのご活躍を期待しております。
またのご訪紋をお待ちしております。
投稿: pramon | 2009年2月 2日 (月) 21時16分
pramonさま どうもありがとうございます。
また撮影していただきありがとうございます。
残念ながらガリンコ号は青海でしたが、
それはいたしかたありません。
紋別は好きな街です。
ぜひまた来たいと思っています。
投稿: 小原玲 | 2009年2月 3日 (火) 16時05分