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2011年8月21日 (日)

ソマリア難民


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 近所の小学校の生徒から夏休みの研究のために「ソマリア難民」について教えて下さいと頼まれた。私の講演や著書で私が昔入っていたことを知ったようだ。
 私が入っていたのは1992年から93年。動物写真と報道の両方をしていた頃だが、これが報道写真家としては最後の取材になった。
 今も続く無政府状態と飢餓の発生。深刻な飢餓がまた進行しているというニュースに心が痛む。それにしても日本に入ってくる情報が、当時と同様に少ない。
Photo
 まだ米軍が入る前で報道陣は世界からわずか数人しかおらず、また私は米国の写真通信社(Black Star)のカメラマンだったこともあり、国際赤十字が拠点に滞在を許可してくれていた。
 私に割り当てられたのが、外務大臣かなんかの寝室でうちのマンションよりも広い1部屋にぽつんと大きなベッドがおかれた部屋だった。その窓から外を見ると、膨大な数の難民の方の手がこちらに向かって差し出される。反射的に写真を撮ってしまう自分を嫌悪したものだ。
 首都以外の取材では誘拐される危険を何度かギリギリで回避できた。地元の人が安全だと執拗に進めるが、自分が断った宿泊先が、その晩襲撃され他国のジャーナリストが被害にあったこともある。
 実際に現場を見て来た者として、何を今の子どもに伝えよう。
 ソマリア難民と震災被災者、原発避難者、そのあたりの共通点と比較かな。この手の話は、自分がしっかり判っていないと子どもには伝わらないので、自分も色々考えないといけない。

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2011年8月17日 (水)

被災地のホタル

本日発売の週刊文春(8月25日号)の後半のカラーグラビアで、飯館村と大船渡のホタルの写真を掲載しております。飯館村では足下が80マイクロシーベルトの草むらで撮影してきま​した。このホタルが舞う故郷から離れないといけないのだな、という想いで撮影した写真です。

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掲載写真はここに出すわけにいかないので誌面を見ていただきたいのですが、その他に撮っていた写真を何枚か掲載します。これは気仙沼市のホタルです。ちょうどこの場所から200mほど先はがれきの山です。ギリギリ津波の被害を免れた場所です。

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飯舘村でホタルを撮影した場所の夜空です。最初はこの川の上にホタルが出るかなと思って構図を組んだのですが、東北では水温の関係でホタルはあまり川におらず、農業用水路にいます。この川の横の田んぼの後ろの用水路を飛ぶホタルと星空を撮ったのが、週刊文春の掲載写真です。

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こちらは飯舘村の撮影地でのガイガーカウンターです。使用した線量計はmR/hr ミリレントゲン表示のものなので、9.231mR/hrをマイクロシーベルトに換算すると、80.9μSv/hrになります。うかつに足を踏めない場所でした。ガイガーカウンタはガリガリ鳴りっぱなしでした。ちなみにこの草むらに入った後に自分のズボンは20μSv/hrの汚染がされていました。
*1mR(ミリレントゲン)は8.77μSv(マイクロシーベルト)

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こちらは大船渡市の様子です。撮影したホタルの生息地と、この場所とは1kmも離れていません。しかし、明暗が分かれていました。いまだに海水が引かず、道路が冠水していました。

元報道写真家としてこの震災で何ができるかずっと考えていました。昔の仲間や後輩たちが被災地取材でずっと頑張っていました。そんななか、私にしかできないのが、この被災地のホタルを写真に残すことです。避難している人が離れた故郷に想いを寄せられるように。「このホタルの舞う光景の故郷から離れないといけないんだ」という想いで撮りました。

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2011年8月 2日 (火)

文春文庫「アザラシの赤ちゃん」

415hcszmpl_ss500_ 久しぶりの更新になります。twitterやFacebookを利用するようになって、すっかりブログの更新が止まってしまっていて、すみませんでした。
 この間いろいろありました。特に今年は本格的にホタルの動画撮影をしていたため、九州から北海道までホタルを追いかけていました。ホタルの動画は技術的に非常に難しいのですが、なんとか見られるものができたかなと思います。一部は来年公開の映画「日本列島 いきものたちの物語」で使用されます。
 また新刊もできました。文春文庫の「アザラシの赤ちゃん」です。この本は私が撮影した22年間の中で比較的古い時代に撮ったものを多く載せています。流氷の変化で、もう見ることができなくなりつつある光景ではと思うからです。なのでほとんどの写真はフィルムで撮影した時代のものです。
 未だに一番最初に行った年の写真が一番いいものが多いと思っているのですが、そんな懐かしい写真をいっぱい載せています。アザラシファンの方なら久しぶりに見る写真に気づくのではと思います。
 文春文庫なので比較的探しやすいかと思います。また動画付きの電子版もあります。iPad版も鋭意作成中です。
 また現在発売中のFRIDAYと週刊ポストにこの本の写真が掲載されています。
 宜しくお願いします。

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