
アマチュアカメラマンが多く集まる撮影地に行くと、ホタル撮影の質問ぜめにあいます。特に初めてホタルを撮る人からは、「感度はいくつ? 露光は何秒?」と次々に聞かれます。
風景にしたって、人物にしたって、同じ場所で撮る露出は写真家によって様々であるのと同じで、ホタルの露出にも様々なものがあり、私は現場でそれを使いわけます。それらの露出のうちのどれを選ぶかによって、その写真家の個性とその場所の特徴が表現されます。
ところが、最近の写真のレッスンプロの緒「先生」方は、こういうときにこんなカメラとレンズを、こうセットして絞りはこれで、シャッターはこれ、と「ご指導」されます。
ろくにホタルをあまり見たことがないレッスンプロの方がそれをやるおかげで、最近のアマチュアのホタルの写真は、妙にホタルが明るすぎて、ホタルの軌跡がごじゃごじゃした写真が多くなりました。データーを見ると「標準レンズ F1.4 40分(レイヤー) ISO1600」 などというのがほとんどです。ホタルの光は黄色が飽和して、何がなんだかわからないてんこ盛りの軌跡が写っています。
そういった写真を見るのが嫌で、今年はブログなどでホタルの撮影データーを書くようにしたのです。
さすがにアマチュアカメラマンでこの人のホタル写真は別格となんどかFacebookで取り上げた妹尾晶さんだけは気付いていましたが、私が伝えたいのは「どんな場所を、どんな風にホタルが飛んでいるのか」なんです。
なのでただやたらめったら構図を組んでいるのではなく、またホタルが多い方向にカメラを向けているのではなく、写しこみたい植生の木の種類があります。
そしてホタルが私の目に写ったような光景を、どうやって軌跡で表現するか、それを真剣に考えて、露光時間を決めます。やたらめったら多くすれば、ホタルがなぜそこを飛んでいるのかという情報がなくなってしまいます。
ホタルをどう撮るのか?私も今までに何度か高額なギャラに釣られて指導してしまったことがあります。
「ホタルを良く見ること」
「生息地の音を聞くこと」
「早く生息地にいって、ゴミ拾いをすること」
こんなことばかり私は力をこめていいます。
でもこれが本当にホタルを撮る秘伝中の秘伝なんです。私が一日で金ボタルの作品が撮れるのは、10年前に毎日、他のカメラマンが出したゴミ拾いをしていたからなんです。ゴミ拾いをしていると、その場所の生息地のいろいろの情報が目から入って来ます。「あっ、ここはこういう場所だからホタルがいるんだ」それに気付きます。
そして来る日も来る日もゴミ拾いをしていたら、地元の人とは仲良くなります。あっ、地元の人はこういう想いでヒメボタルと共生してきたんだな、それに気付きます。
こういった情報、知識が、露出や構図を決めるのに重要なのです。ただ私と同じ露出でシャッターを押しても、同じものは写りません。
(ペケプロ1 EF35mm/1.4L F1.4 10分 ISO640 岡山県新見市哲多町 2012.7.9)
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