ソニーαのトランスルーセントミラーの画質への影響
ソニーが発表したカメラの中ですごく気になっているのがα99。なぜかというと動画でISO6400が使えてしかも、1/4までシャッター速度を落とせるから(メーカーに電話で確認)。ニコンやキヤノンの最高機種でもこの低速シャッターを動画で使える機能はない。
それで気になってα99の情報を集めているのだが、米国でフライング的に発表されたサンプル画像の評判があまり良くない。「シャープネスとノイズリダクションを最小にしたJpeg」での撮影ということだが、どうも今ひとつ解像感にかける。(あくまでも発売前の画像です)
原因を考える時に気になったのが「トランスルーセントミラー」。このミラーを透過することで若干の画質劣化がおこっているのではないかと。しかし、これの有無の比較とかカメラ雑誌は全然やってくれない。今の日本のカメラ雑誌は完全にカメラメーカーの広告収入で支えられているので、ほとんど業界紙のようなものでしかないからだ。
ならばと、自分の手元にあるもので確認してみました。結果は

使用したレンズはミノルタSTF135mmで、LA-EA2アダプターの有無で確認しました。トランスルーセントの入ったLA-EA2使用と、αーライカM ライカMーNEXのWアダプターとの比較です。参照比較にペケプロちゃんを同じレンズで。ISO800です。
1. 今回のテストでは、トランスルーセントの減光は1/30から1/20と2/3evもある。ちょっと想像して以上に大きい。
2. トランスルーセントによって若干だが像のニジミ感がある。ただしシャープネスで補える程度でしょう。
3. ローパス無しのペケプロちゃんは解像感ではNEX-5nを上回る。しかし実効感度はNEX-5nよりも低く、同じ明るさになるようにシャッター速度を選ぶと1/20になり、トランスルーセント付きと変わらなかった。この切り出しでは判りにくいがノイズはNEX-5nよりはるかに少ない。
以上のことが判りました。
ミラーショックがなく、高速の位相差AFが使えるというトランスルーセントのメリットの裏として、「2/3evの減光と若干の像のニジミ」を許容できるかということでしょうね。高感度動画を目的としている私の場合に、この減光はちょっとキツいかな。来年噂されているNEXのフルサイズならトランスルーセントの有無を選べるわけだから、そっちの方がいいかも。
ただし、考えようによっては、よく透過ミラーを入れてもこれだけの減光とニジミに抑えているとも言えます。よっぽど厳しくみないかぎり、メーカーがいう「画質の劣化はない」というのもあながち嘘ではないでしょう。正しくは「ほとんどない」でしょうが。しかし、減光があることはきちんと書くべきだと思います。たとえ感度表記で補正しても、その分のノイズ増加などはあるわけですから。
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