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2013年5月28日 (火)

画質には「美しさ」や「繊細さ」が重要

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 この写真は先日撮影した地獄谷温泉のサル。フジのX-E1+XF60mmマクロで撮影しています。私はこの描写に「繊細」さと「美しさ」を感じます。
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 こちらの写真は同じサルをEOS5DMarkⅢ+EF100-400mmLで撮影したものです。だいぶ2つのカメラの絵の印象が違う事にお気づきになるかと思います。
(写真をクリックすると拡大します)
 カメラの評価で一番大事なのは解像度や画素数、センサーの大きさではないと思っています。なぜなら出来上がった写真を虫眼鏡で見る人など、普通はいないからです。
 その写真を撮った目的に一番適したもの、それが私にとって一番良いカメラです。特にその中でも私が重視しているのは、「美しさ」と「繊細さ」です。
 フジのXシリーズよりも高解像のカメラはあります。シグマのSD1, DPmシリーズ、ニコンのD800Eなどです。でも私はこれらのカメラを選びません。それは高解像ではあっても、「線が太い」からです。多分センサーの画像処理に起因しているのだと思うのですが、高解像ゆえに「緻密」ではあるのですが、「線が太い」ために「繊細」ではないのです。
 私が建築物を撮る写真家だったら「緻密」さがあればいいのですが、動物写真家の私が求めるのは「繊細」さなのです。違いは毛並みや、人物なら肌の毛穴の描写によく現れます。
 通常のカメラテストで、この「繊細」さを評価する基準がないのですが、私は動物写真を「優しい気持」で撮りたいため、この「繊細」な描写を重視しています。「緻密」さは数字で表すことができますが、「繊細」さはより印象的、感覚的なものであり、数字での評価が難しいと思います。
 そして画質においては「色」もまた重要です。「美しい」という印象は、とくに「色」に起因します。美しさはさらに数字での表現が難しいものです。
 このように画質というのは、非常に感覚的なものだと思っています。なので数値で置き換えたテストはあくまでも参考情報でしかなく、また目的によって、その感覚が異なります。だから絵を見てその印象で判断します。
 建築写真家が求める良いカメラと、動物写真家が求める良いカメラは違います。
 また「瞬間を止めた面白さ」を撮りたい動物写真家と、「優しい気持ち」を撮りたい動物写真家が求める良いカメラは違います。
 でもこれだけは言えるのが、今までこの「美しさ」や「繊細さ」を大事にしてくれるデジタルカメラは出て来ていなかった。むしろ、パッと見の強さを求めて「線が太く」なる傾向にずっとあった。ニコンとキヤノンで「線の太さ」競争をしているかのようでした。
 そんな中、「気持の良い色」と「線の細さ」が特徴的なXシリーズは私にとってとても嬉しい選択なのです。
 

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コメント

たしかに、優しさ、繊細さを合わせ持つカメラメーカーはあまり無いような気がします。

無理やり想像するとすれば、Leica、OLYMPUS、PENTAXの良さをそれぞれ融合させて割ったような絵作り・・・
(それでも何か足りない)
無茶苦茶かもしませんが、私の勝手なイメージでした。^^;

それぞれメーカーの良さはあると思いますが、フジフイルムは誰にでも好かれるような、
見ていて気持ちのいい、素敵な絵作りをすると思います。

投稿: カメラくん | 2013年5月29日 (水) 13時35分

カメラくんさん
 ありがとうございます。はい、フジのHPには「気持のよい色」を目指したという記述がありましたが、他社がチャートを見て色を作っていると思われる中、実写を見て作った色というのがよく判ります。
 今回のサルの写真2点も大きく色が異なります。

投稿: 小原玲 | 2013年5月29日 (水) 14時28分

数値化は出来てもそこから導かれる表現を伝えるには多くの情報のグラフ化などによる解析結果の視覚的表現が必要で、万人に伝えるには限界があり、絵そのものを見て判断するのに勝る物はない。いえ、すみませんガリレオをビデオで観た後で。。。確かに。ですが絵作りとして両方とも実に良い写真ですね!下の同じ瞬間をフジで撮影したケースではさらに繊細な柔らかさが写実されるのが想像できますね。使ってみないと分からないところですね。

投稿: もやし | 2013年5月30日 (木) 00時38分

普通は、チャートを見て色を決めないと、説得力がないし、おかしな色になってしまうと思うのですが、フジの場合はフイルムメーカーゆえの判断基準がしっかりとあるのでしょうね。
それと同じことができるメーカーはコダックやAgfa等のやはりフイルムメーカーだけかもしれません。

ちなみに、私が所有しているOlympusのE-1は、今となっては化石のようなスペックですが、コダックセンサーの独特の色合いが好きで、使い続けています。

投稿: じゃいろ | 2013年5月30日 (木) 12時58分

もやしさん ありがとうございます。
はい、これれは実際に使った者が判る良さですね。
私の周りのプロの間では、撮影中の写真の交換でフジの色に驚かれる方が多いですね。

投稿: 小原玲 | 2013年5月30日 (木) 21時27分

じゃいろさん
 そうですね。オリンパスのE-1は岩合さんの意見が多く取り入れられていて、あの人コダクロームが好きでしたものね。

投稿: 小原玲 | 2013年5月30日 (木) 21時28分

この写真を見た時、私のカメラと主人のカメラの違いを見たようでした。
いろいろ悩んだ末、私もX-E1に35mmF1.4を購入しました。

昔から単焦点レンズが好きで発売中のものから今後のレンズロードマップ見て決心致しました。
明日、早速撮影に行くので楽しみでなりません。
私が撮影する風景写真においてどのような違いが出るか両機で比べてみたいと思います。

投稿: 楓 | 2013年5月31日 (金) 09時33分

はじめまして、ブログを拝見して
X-E1のレンズキットを購入しました。
カメラは初心者ですが、被写体はほとんどが
チワワです。毛並がとてもきれいにうつり
とても満足しています。ありがとうございます。

なかなか難しいと思いますが、走っているところを
撮影したいのですが、おすすめのレンズを教えてください。マクロレンズなんかもいいんでしょうか?
よろしくお願いします。

投稿: 咲 | 2013年5月31日 (金) 13時07分

楓さん
 そうなんです。私は昨年3月に両方のカメラを使用して撮り比べて、色の違い、繊細さの違いに驚き、すべての写真をFUJIで撮り直したいと思ったくらいです。

投稿: 小原玲 | 2013年5月31日 (金) 15時16分

咲さん こんにちは
 順当には新しく出たXF55-200mmズームだと思います。先日の運動会の記事でも書きましたが、動いているものをこのカメラで追う時には、外付けの光学ファインダーがあると便利です。ライカや昔の日本光学などが出しています。見やすいものは結構値段もします。
 動きを予想して、通るだろう場所にピントを合わせ、そこを通るちょっと前から、高速連写でシャッタ−を押し続けます。
 「置きピン」と呼ばれる方法ですが、実は犬を撮るプロカメラマンはこの置きピンで撮る方が多いです。なぜかと言うと一眼レフのAFだと、だいたいのピントは合うのですが、鼻にあってしまい目にピントが来ないからです。

投稿: 小原玲 | 2013年5月31日 (金) 15時20分

どうもありがとうございました。
光学ファインダーとXF55-200mmズーム
購入してチャレンジしてみます。
家には他のデジイチはありますが、X-E1の画質が
好きです。
ありがとうございました。

投稿: 咲 | 2013年5月31日 (金) 15時53分

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