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2013年6月 4日 (火)

フルサイズのメリットって何

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 宮崎県にてホタルの撮影をしています。今年からMetabonesのSpeed Boosterが機材に加わりました。これを使うとフルサイズの50mm/1.4のレンズをAPS-CのX-Pro1で35mm/1.0のレンズとして使用できます。
 このSpeed Boosterが出来る前ならフルサイズセンサーは、主に被写界深度の問題で欲しかったのだけれど、APS-Cでフルサイズセンサーと同じボケを得られるようになった今、フルサイズセンサーのメリットってなんだろう。
 先日引用した月刊カメラマンの水平解像度のテストを見ても判るように、ローパス付きのベイヤーフルサイズセンサーならAPS-Cのローパス無しセンサーは十分張り合える性能を持っている。ローパスによる感度低下、画質劣化がそれだけ大きいということだ。
 さらにSpeed Boosterを使えば絞りが1段明るくなり、ISO感度を1段明るく使えるので、さらにAPS-Cは有利になる。
 フルサイズ用レンズはどうしても重く、大きく、高価である。私の印象としては銀塩時代の645のシステムに今のフルサイズは相当し、銀塩時代の35mm版に相当するのは、ローパス無しAPS-Cのシステムではないかと。
 フルサイズになって新聞カメラマンに腰を痛めるものが多くなったという。EOS1DXやニコンD4を2台支給されて、それを毎日肩に下げて持ち歩いたら、腰を痛めるのも容易に想像できる。新聞写真ならμ4/3でも十分すぎるのに。
 ちなみにボディ重量は
Pentax 645n 1,280g
EOS1DX  1,530g
NIKON D4  1,340g
X-Pro1  450g
(X-Pro1 C/Yプラナー50/1.4 Speed Booster)

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コメント

早速、本屋でカメラ雑誌を確認。
正直な記事ですね。
以前からフルサイズにこだわっている人たちに違和感を覚えていました。
4×5やブローニーに比べると目くそ鼻くその世界でそんなに違うのだろうか?
ライカがたまたま36×24で作っただけ。
もっと大きなサイズがずっと使われていたなら、ライカ版は、今のAPS-Cと同じ扱いのはず。
APS-Cは、イメージサークルの美味しいところを(中心部)を切り取って使えるんだからかなり贅沢。
でも、狭くなった面積で緻密さを要求されるのでネガ時代のレンズはどうなのか?との疑問も有ります。
1.5倍の焦点距離も考えように寄っては有利。
なのでニコンのDXにF2.8のレンズを揃えて仕事で使っています。
機材の代金が高すぎるので。
FUJIのシステムならボディ2台、ズーム2台揃えてもかなり安い。
ニコンなら、次のオリンピックで出てくるであろうD5までの間にどれだけのお金が必要か?仕事で元が取れるのか?

そんなニコン沼から抜け出す為に、小原さんのコメントはとても大切です。
情報ありがとうございます。

投稿: うら | 2013年6月 4日 (火) 15時04分

[Speed Booster]
京セラ・ヤシカのCONTAX一眼レフ用レンズの焦点距離を長くするための ムターT* I, ムターT* II があります。メーカ カタログには、各レンズとムターとの組み合わせで、特に良好、良好、装着可、装着不可、近接小絞りでけられ、近接で周辺光量低下、他、の評価が記されています。レンズの出射光と感光センサーの間に別のレンズが入ると、画質性能が変わると理解しています。Speed Boosterについても、レンズとの組み合わせで画質チェックが必要なのではないでしょうか。この労を厭(いと)はないボランティアが結果を発表して下さるとよいと思います。
[報道カメラマン]
小原さんの書く内容とは少しずれますが良い機会なので、ご存じならば教えて下さい。報道カメラマンが集まるところで、一斉にフラッシュが焚かれる事が多くあります。このようなとき、ISO100・200でフラッシュをフル発光させているものなのでしょうか?それともISO800・1600でフラッシュを調光発光させ、光量を少なくするように心がけているものなのでしょうか?

投稿: 田中 | 2013年6月 4日 (火) 20時13分

うらさん
 ほんとバブルの頃はいくらでも機材に投資しても、それを回収する仕事量がありましたが、今では全体の写真の仕事量が激減し、ギャラも安くなっています。
 ニコンやキヤノンのプロ機とレンズをそのまま購入し続けたら、もうけはほとんど消えてしまいますね。よく写真家仲間で話題になります。
 さらには最近は腰痛、肩痛の治療費もかかりますし。

投稿: 小原玲 | 2013年6月 5日 (水) 10時39分

田中さん
 Speed Booster では確かにレンズによって相性があります。というか、元のレンズの性能がいいものは良く写りますし、元のレンズの性能に欠点があるものはそれが強調されたりします。
 広角レンズの周辺が流れるようなことがありますが、だいたい絞れば解決します。
 標準レンズや中望遠レンズでは、元のレンズをフルサイズで使用するよりも、よりシャープに写ります。縮小光学系ならではの効果ですね。
 報道カメラマンのストロボですが、私が現役だったころは銀塩だったので、ISO400(モノクロ)、ISO100を+1増感(カラーポジ)でした。最近はどうなのかな?ISO800ぐらいが使い易いのではないかな。

投稿: 小原玲 | 2013年6月 5日 (水) 10時43分

一般のアマチュアの感覚だと「これからはフルサイズの時代!」とか「画質にこだわるならフルサイズ!」とかの宣伝や雑誌特集の影響が大きいと思います。APS-Cじゃ不合格でフルサイズなら合格というのも、レンズや撮影技術を無視している訳で不自然ですし。
カメラを売るためのメーカーや販売店や出版社の都合も大きいんでしょうね。

レンズやアクセサリーを装着して実際に使う状態の大きさや重量を比べると、オートフォーカス化、デジタル化と、どんどん大きく重くなっていますね。一般向けのコンパクト機は小さく軽く高性能になっているのと対照的ですね。
それとボディ重量はフィルムカメラの重量も並べてあるとわかりやすいと思います。F2とかAE1とかRTSとか(これじゃ古過ぎ?笑)

投稿: (^・^) | 2013年6月 5日 (水) 11時45分

(^・^)さん
 この記事を書いたあとで、気になって調べて見たのですが、現在の新聞カメラマンが通常首から下げる2台のカメラの重量は、昔スピグラにフラッシュをつけていたものよりも重く、さらには現在のテレビカメラマンが使うカメラよりも重いです。
 腰を痛める人が続出なのも当然です。

投稿: 小原玲 | 2013年6月 6日 (木) 01時29分

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