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2014年1月 8日 (水)

富士フイルム本社でトークをさせていただきました

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 昨日は富士フイルムさんの六本木の本社でトークをさせていただきました。
 私がXシリーズをなぜ好きか、そんな話です。
 一言で言えば「このカメラは単なる光学機器や電子機器ではなく、写真文化を担う道具」だということです。
 日本のカメラは世界一になりましたが、写真文化ではまだまだ欧米に遅れています。写真のオリジナルプリントが飾られたり、ソファーの横に大型写真集が置いてあったり、という写真文化はまだ日本には根付いていません。
 しかし、日本で唯一、写真文化で世界に評価された会社があります。それが富士フイルムです。90年代から2000年代にかけて、富士フイルムは世界のフイルムのシェアのトップに育って行きました。日本人が作った「写真の色」が世界に認められたのです。私はその時期に報道カメラマンをやっていたので、海外のカメラマンが次々富士フイルムを使い出すのを見て嬉しかったものです。
 しかし、フィルムの時代がほぼ終わってしまいました。そんな中、写真文化への想いがしっかりと込められて作られたのがXシリーズです。
 だから私はカメラ量販店でXシリーズのカメラが、他社のカメラメーカーの電子機器や光学機器と一緒に語られているのが、残念でなりません。富士フイルムのXシリーズは、それではなく「写真文化を担う道具」なのですから。
 富士フイルムの古森会長が書かれたこの本に、フィルム時代からの転換のことが書かれていて、とても興味深かったです。この本にも「写真文化」という言葉が何度も出てきます。
 富士フイルムさんは今年1月で創立80周年になります。それに合わせて今年は、また世界の写真文化を変えるような予感がします

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コメント

防塵防滴の新型がそんなに良かったのか、はたまた2月のcp+で遂にPRO-2か!?と、妄想が膨らみます!何にしても、富士フィルムにはこれからも『写真が撮りたくなるカメラ』を作り続けてほしいと思います!

投稿: ユウキ ツカダ | 2014年1月 8日 (水) 19時14分

世界一のフィルメーカーが今や世界一のカメラメーカーに成ったと言っても過言ではないと言う事でしょうか?
まだ写真の撮り方も解らない初心者ですがどうせ撮るなら世界一の富士フィルムのカメラで撮るのが楽しみです。コンパクトなミラーレスカメラと言うのも持ち運びに便利だし見た目もオシャレで如何にもカメラマンと言う感じがしないのが良いですよね。カメラを首からぶら下げていても違和感なく街に溶け込める感じがします。今は自律神経失調症とうつ病で生活保護を受けている身なのでカメラは買える身ではありませんが、仕事に復帰して富士フィルムのカメラを買うのが今の夢です。好きな子供達や蛍や街並みや水芭蕉などとって様々なコンテストに応募してみたいと密かに企んでいます(笑)富士フィルムのカメラでどんな写真が撮れるのかとても楽しみです。富士フィルムのカメラの良さを教えて頂いた小原先生にはとても感謝しています。今後もブログ楽しみ拝見させて頂きます。失礼します。

投稿: すが | 2014年1月 8日 (水) 20時17分

こんばんは!世界一のフィルムメーカーがデジタルカメラを作るとどんなことになるのか?オートフォーカスなど機能の便利さだけを追求するのではなく写真の原点を示して欲しいですよね!カメラに操られるのではなく、ユーザーが操作を楽しむためのカメラ、常に持ち歩いて楽しいカメラ、撮って美しい描写が追求出来るカメラを望みます。家電などのメーカーとの差異化は十分できると思うのです。

投稿: もやし | 2014年1月 8日 (水) 21時45分

ユウキ ツカダ さん
 ありがとうございます。
 色々夢が膨らむ1月になりそうです。

投稿: 小原玲 | 2014年1月 8日 (水) 23時38分

すが さん
 ゆっくり気長に体を休めて復帰してくださいね。
 写真はいつまでも楽しめる文化ですから。

投稿: 小原玲 | 2014年1月 8日 (水) 23時39分

もやし さん
 富士フイルムの技術ははんぱなく凄いです。
 80周年の今年は本気モードいっぱいのようです。

投稿: 小原玲 | 2014年1月 8日 (水) 23時41分

デジタルで撮った写真を大きく印刷して家の中にたくさん飾ってます。大型写真集はソファのところや廊下に置いてます。サファリ、とか、人間の大地がたまりません。

ナショジオの写真集や仏様(ボルボドールなど)の写真集、パタゴニアの写真集、世界各国の写真集(訪れた先で結構買ってしまいます)も。マグナムも澤田もキャパも本を結構買いました。
東京都写美での展覧会も時折見に行ってます。同好の士が結構いらっしゃっていて一目で、あっこの方写真好きなんだな、とわかります。

一時、A4大判のアルバムを自作して、たくさん写真を貼り付けていたのですが、作るのは楽しいのですがやたらと時間を食うこと、それと、やっぱり家の中に張り出したほうが見栄えがするので、アルバム作りは下火になりました(笑)。

私の友人もそうやって子供の写真を飾っているので、その人の所に遊びにいったときなど、技術を参考にしたりしてます。またその人たちも写真集を買ったりしています。

そういうことやっていると、家族の成長もわかるし自分も写真の意味をかみしめられます。5歳ぐらいで連れて行ってフォロロマーノをぼかし気味の背景に撮った子供の写真は自分では傑作だと思ってます(大笑)。

私などそういう風に写真でもって身近な人たちと楽しむのが当たり前だと思っているのですが、小原さんの文章を読む限りではどうやらそうではなさそうなのですね。

あと、いっぱい写真を飾っているとカメラの性能のよしあしは実はどうでもよくなります。人間中心に写しているならどんなカメラでも結構拡大に耐えます。そうはいかないのは、釣った魚とか野生動物とか。これは顕著でした。

写真文化なら、家族の写真をプロの店で撮って節目ごとに残していくことも普及してほしいものだと思います。

少し趣旨が異なるかとはおもいますが、写真文化の普及は大賛成です。

投稿: | 2014年1月 9日 (木) 00時18分

 どうもありがとうございます。はい、そういう文化は欧米ではとても一般的なのに、日本の家庭ではソファの横には新聞かテレビ雑誌とか、週刊誌や漫画本が置かれていますね。
 写真文化を大切にしてほしいというのが私の想いで、それが富士フイルムさんとフィットしています。

投稿: 小原玲 | 2014年1月 9日 (木) 01時02分

小原先生「写真文化」というところにぐっときちゃいました。「写真文化」繋がりでいくと3月に「ライフ」という映画が公開されます。主人公がLIFEの写真編集者という筋立てなのだとか、LIFEの表紙を飾った写真にアダムサンドラーの顔が重なることになるようです。写真文化が盛んなAmericaならではの挑戦だと思います。ちなみに原作は元祖谷ケイことダニーケイ主演「虹をつかむ男」です。

投稿: ぐるぴん | 2014年1月 9日 (木) 07時37分

写真文化とカメラは似て非なるものだと思っています。
昔から、カメラを撮る、と言う人が多いのが日本人の特徴で、カメラありきで、写真が主体となっていないことの表れのように思ってきました。実際カメラ好きの全てが写真好きではないですよね。言い換えればガジェット(機材)好き。
少しアメリカに住んでいたこともあるので、その時の経験ですが、彼らの多くは最新とは程遠いニコンかキヤノンを使って、節目のイベントでは必ず記念写真を撮る。そしてそれを大きくプリントして飾る。
最終アウトプットは必ずプリントであり、DPEの最安サイズが2Lだったり、日本より大きいサイズが基準なのでA4くらいだと特別な感じはしませんでした。
こう考えるとアメリカ人の写真文化は、プリントして飾ったり、大きくプリントされたものを楽しんだり、わかりやすいですよね。

しかし、日本人の写真好きもデジタルになってからは旺盛で、ブログやWEBアルバムという形ではありますが、別の成熟を見せていくような気がしないでもないです。それを文化と呼べるかどうかは、後々の判断になると思いますが、必ずしも欧米的でなくてもいいかな、と思っています。

投稿: じゃいろ | 2014年1月 9日 (木) 10時47分

私もアメリカに数年赴任していたのですが、確かに、プリントを中心として、写真を飾るという習慣がしっかりとあるのです。
家庭にも、オフィスにも家族の写真が飾ってある。

また、スライドも、住宅事情が良いので、大きなスクリーンに投影するのです。恥ずかしながら、アメリカではじめてまともなスライドの鑑賞の仕方を覚えました。
日本人はこれでプリントをつくるのか?ネガはないのかとびっくりされました。
いや、スライドをルーぺで覗いて終わりの人が多いというと、それが、どうして写真なのか?と頭を抱えていました。
カメラを買って、フィルムを入れてない人もいるというと、絶句していました。

とにかく、機材マニアばかりの日本とは違い、しっかりと写真を撮り、プリントし、飾っています。生活に根付いています。

また、ワシントンDCのそばに住んでいたのですが、政治の都だけに、コダック優勢かと思うと、フジばかり。
Fuji Kikked Kodak.
ウォールマートの同時プリント、KGサイズ、(はがきサイズ)があまりに綺麗な仕上がりなので、どうして、こんなに同時プリントがいいのかと聞くと、あのフジのミニラボが素晴らしいのだ。モニターがカラーで見えて、調整が非常にしやすい。コダックはモノクロでしかモニターできない。このラボシステムだけでも、FujiはKodakに圧勝しているというのです。

私は、日本の粗悪なゼロ円プリントに絶望して、ネガカラーは使っていなかったのですが、アメリカで、まともにミニラボシステムを使えば、とても良いプリントが得られることをしり、日本は、最高のフィルムとラボシステムを輸出していながら、原産国ではまともに使いこなしていないことに、失望を覚えました。

フジはデジタルに走る前に、もう少し、ネガカラーが持つ本来の力を発揮させるように、ラボを管理する必要があったと思いますが、今更、手遅れですね。

銀塩のころは、センサーだ、画像エンジンだってのは、すべて、フィルムと現像の役割だったわけで、カメラメーカーってのは、レンズと暗箱を提供していただけだった。
その意味では、フジがデジカメに果たす役割は、センサーと映像エンジンの絵作りという意味で、一番歴史と経験のあるサプライヤーということになります。

投稿: くじら怪人 | 2014年1月 9日 (木) 11時28分

私は家族の写真を撮るのが好きで、その次に訪問国の人たちを撮るのが好きです。家の中はそんな写真をいっぱい飾ってます。職場でもすこし置いてます。
仕事ではずっとコダックのポジを使っていて、何も無いときだけ仕方なくフジのフィルム。フジは色が綺麗なので出来過ぎやりすぎと思っていましたが、どうやら違うのですね。私の無知(反省)。
画面の中の像も良いのですが、やっぱり焼き増しして外で大きく見せてあげてなんぼ、と思います。多少ざらついていても、その撮った意味は本人たちがよく知ってます。

フジのXシリーズで子細詳細が綺麗に撮れるのは喜ばしいことだとは思いますが、それのみを追うと写真ではなくてカメラ機材を追っていることになると、そう認識してます。
なのでいいかげん、家庭用や人中心に撮りたい人間のための機材は落ち着いて欲しいと思います。
みんながみんな、2年に1回の機材アップデートを臨んでいるわけではなくても、それが業界の中心方針だからどうしても影響を受けます。えらい迷惑だとすら思うこともままあります

いえ、機材の進化を心から喜ぶ方は是非そうしていただけると良いのかと思いますが、私のような凡庸なアマチュアは、アップデート合戦、新機材合戦はもういい加減にして欲しいと思っているところです。

投稿: ななし | 2014年1月 9日 (木) 14時24分

ぐるぴんさん
 はい、その映画に携わった方から聞いて楽しみにしていました。すでに北米では公開されているようですね。

投稿: 小原玲 | 2014年1月10日 (金) 01時47分

じゃいろさん
 たしかにそうです、部屋の広さも意味も欧米と違いますものね。独自であってもいいから、「写真文化」を作っていってほしいですね。

投稿: 小原玲 | 2014年1月10日 (金) 01時48分

くじら怪人さん
 はい。私の好きな言葉にLIFEの写真家カール・マイダンスが書いた、 With Mind and Heart and a Magic Box という言葉があります。このMagicの部分が大事なんですよね。

投稿: 小原玲 | 2014年1月10日 (金) 01時51分

ななし さん
 富士のXシリーズは新機種は次々に出ますが、前のカメラもきちんとファームアップで改良されていきます。なので最初のx100でも全然見劣りしなく使えます。

投稿: 小原玲 | 2014年1月10日 (金) 01時52分

小原様
『富士フイルム本社でトーク』を読ませていただき、またこれまでのご発言をあわせ、2014年は本当におもしろい年になりそうだな、という手ごたえを感じています。
ところで、年末に注文してあったサム・レストがやっと手に入り、これで親指がMACROボタンに触れ、あわをくうこともなくなりました。ずいぶん助かっています。いろいろヒントをいただき、ありがとうございました。
中原 

投稿: 中原英二 | 2014年1月10日 (金) 05時00分

中原英二さん
 はい。80周年の今月何かが起こると思っています。
 私は一眼レフをいよいよ大処分します。
 サムレストいいですよね、実は木製のサムレストを試作してもらっています。

投稿: 小原玲 | 2014年1月10日 (金) 05時47分

はじめまして。Xシリーズの魅力がよくわかるブログで、とても罪作りです。(^^;;
私は発色が好きで長年FinePixを使ってきましたが、カメラの造り、ユーザーインターフェイス、デザインがイマイチで、『何故富士は高級機を作らないのだろう?作って欲しい。』10年以上前から思っていました。
Xシリーズを見た時には、『これを待っていたんだ!』と思いましたが、待ちきれずにM4/3でシステムを揃えた後でした。(T . T)
オリンパスペンもなかなか良いカメラで、パナやオリの単焦点レンズもなかなか優秀です。私の用途(スナップ)にな充分ですが、いつかはXシリーズと思っています。

と言いながら今のメインカメラはSONYのRX-100M3です。肌身離さず持ち歩くという意味では。画質的には私には充分ですが、テンポや撮る時の感覚がやはり少し違います。官能的に満足できない。それでも肌身離さず持つことを優先して、並のミラーレス機のレンズキットより高いコンデジを使っています。

ところでアメリカでプリントが飾られていて日本では飾られないのは、写真文化だけでなく、部屋の装飾に関する習慣の違いもあると思います。アメリカでは写真だけでなく、絵もあちこちに飾られています。日本のように大家の名作あるいはその複写ではなく、名も無い作家の作品が殆どです。絵はほとんど実用品です。日本人の目からは悪趣味に見える絵も多いです。

ちなみに私はレンズ設計者ではありませんが光学技術者でして、富士は勿論カメラメーカー各社のレンズ設計者と話す機会がしばしばありました。話していて思うのは、いわゆる技術力の差はあまり感じられないということです。差は企画。どのような画質・品質をどのような制約条件(コスト、サイズ、重量、納期)の下に目指すかという目標設定だと思います。そういう意味では哲学が製品の差になっています。

例えばご存知かと思いますが、ライカの一眼レフはかつてミノルタから供給を受けていました。MFの時代です。そのほぼ同等のボディに同等の焦点距離のライカとミノルタのレンズを付けて撮った写真は、個性の差はありますが、ミノルタだけ空気感が写らない、というような事はなかった気がします。素人の感覚ですが。

ですから、これからのカメラは文化や哲学で差が出ます。実はレンズ設計者技術だけでしたら、台湾あたりもかなり高いものを持っています。かつて携帯電話カメラの高画素用レンズは富士の独占状態でしたが、今は台湾勢に完敗です。スマホのレンズは凄いです。古典的光学の常識を破るような偏肉レンズや非球面レンズを多用して、回折限界に近いくらい収差を補正しています。彼らは写真の文化や哲学をまだ理解していないように見えます。また彼らはマスを狙いますからカメラ専用機にはなかなか出てこないと思います。今のうちに日本のメーカーは、『良い写真』を実現するためのあらゆる技術やノウハウで圧倒的なリードをしてもらいたいと思います。

投稿: たつのこ太郎 | 2014年8月29日 (金) 22時31分

たつのこ太郎さん
 どうも詳しい説明ありがとうございます。たしかに最近写真レンズでも中国や韓国製が出て来て、しかも性能が侮れないものがあります。
 富士のレンズ設計者たちは、今は同じ会社ですが、以前は別会社のフジノンの方々です。レンズ設計だけのために会社を選んだ人たちですので、他社のようにカメラメーカーを選んでレンズに配属されたという方々と、レンズへの想いが違うと聞いたことがあります。

投稿: 小原玲 | 2014年8月29日 (金) 22時36分

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