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2014年4月29日 (火)

ホタル撮影の一番の秘訣はゴミを拾うこと

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(X-Pro1 XF60mmF2.4R Macro F2.4 1.5sec ISO400 Jpeg)
  ホタル写真の中で実はとても難易度が高いのがこれ。これに比べれば比較(明)のレイヤー合成なんてPhotoshop技術だけなので、きちんと教えてくれる人がいれば簡単なものだ。 
 このホタルのアップの写真が他と違うのは、フラッシュや懐中電灯などの人口光を一切使わないで、明滅するホタルのアップを自然光だけで撮っていること。
 これを撮るにはいくつかの条件が必要だ。
●夕方に光る前のホタルを見つけていること。
●撮影時に風が吹いていないこと。
●ホタルが動かないでじっとしていてくれること。
●背景と露出のバランスがいい1、2分の間にそれが撮れること。
 つまりこれは夕方暗くなって、ホタルが最初に光りだして飛び立つ前のわずかな時間にしか撮影ができず。そのためには、光りだす前のホタルを見つけて、ピントや構図を決めておかないといけない。ホタルの光を露光するには、スローなシャッターが必要(上のカットは1.5秒)でその露光時間に風で草が揺れたりしない必要がある。
 17年間ホタルを撮影している私でも、この光りだす前のホタルを見つけるのは至難の技だ。しかし、運良く見つけるとこれが撮れる。この写真のために私は現場に早く行って、撮影地のあちこちで這いつくばっている。
 そしてそんなことをしていればゴミもいっぱい見つけるので、ゴミも拾う。
 拾ったゴミをビニール袋に入れて持っていると、たいてい通りかかった地元の人は気さくに話しかけて来てくれる。そして色々なホタルの話をしてくれる。「この上流のあそこの岩のところがいいよ」とか、「この川より、あっちの川の方がいいよ」などなど。
 なのでホタル撮影の一番の秘訣は実は「ゴミを拾うこと」なのだ。 
 メルマガやセミナーではもちろん技術的なノウハウもお伝えしますが、一番大事なことは撮影以前にあったりします。

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コメント

小原様
素晴らしい秘訣ありがとうございます。
蛍に限らず、自然写真を撮る人が、みんな(当然私も含めて)、このようなことをさり気なくできるようになりたいものです。

投稿: | 2014年4月29日 (火) 20時54分

小原様
お久しぶりです。螢撮影の一番の秘訣がゴミ拾いというのは、悲しい現実ですが、共感します!次は機材をセッティングした後での忍耐力(トイレも我慢しないと。。)と気持ちの余裕(自然と生物相手に失敗したってくよくよしない)なのでしょうか。とにかく、フラッシュ、電灯の類いそしてAF補助光も光らせては害となって螢にも大敵で使用できないでしょうから個々の螢の姿を捉えるのってとってもご苦労されているのかと。更にはご家族連れなどに大きな声で話しかけられたりして。。。

投稿: もやし | 2014年4月29日 (火) 21時36分

匿名さん
 はい。ホタルに限らずありとあらゆる撮影地で、カメラマンがゴミを拾っていると、素晴らしいと思います。
 

投稿: 小原玲 | 2014年4月30日 (水) 00時38分

もやしさん
 色々な失敗談や苦労もあるのですが、一番の楽しみは人との出会いだったりします。
 あと家族連れの子どもさんは大事にしたいと思っていて、よく脚立に乗せてホタルを見せてあげたりします。カメラマンが前を塞いじゃって、子ども達がホタルを見えないことってとても多いのです。
 子どもにはカメラマンっていいなあと思って欲しいですよね。

投稿: 小原玲 | 2014年4月30日 (水) 00時40分

小原さん
以前八ヶ岳の山小屋を手伝いながら写真を撮っている時にもゴミをよく拾いましたが、中国で風景写真を撮る時もゴミが気になって気になって気になって毎度拾っていました(笑)
ただ中国の場合、電線や木の枝に引っ掛かった赤や青のポリ袋や道端に撒き散らされたゴミの山はさすがに拾い切れず、終いにはむしろそのまま撮った方が中国らしくていいのかも……と諦めたこともあります。
日本は基本的にきれいですが、自然の中に入って行くとやはりゴミは目に付きますね。
中にはカメラマン自身がゴミを捨てていることもあり、注意したら逆ギレされてこっちがビビってしまったこともあります。
自然の美しさに感動できる心があるなら、自然そのものを大切にする心も同時に持ってほしいですね。

投稿: hironeko | 2014年4月30日 (水) 16時09分

hironekoさん
 はい、一番多く拾うのはカメラマンが出すゴミです。
 ほんとカメラマンの一部はゴミや大声に関して、とてもマナーが悪いです。
 私もなんどか注意するのですが、逆ギレ多いですね。困ったもんです。

投稿: 小原玲 | 2014年5月 1日 (木) 00時47分

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