« 「ダムネーション」映画無料試写会のお知らせ | トップページ | 相生山のホタルへの想いを市長に伝えましょう »

2014年9月23日 (火)

クラシッククロームと印刷物との相性の良さ

Dscf2229

 写真はX100Tのカタログでクラシッククロームの作例です。
 渋く落ちついた、いい感じの色調の中、人肌はしっかり適正な色(M,Yが均等の白人肌)になっています。
 そしてこれに気づく人は少ないと思いますが、とてもいいCMYKの画像になっています。CMYKとは印刷物の色域でシアン・マゼンダ・イエロー・黒の4色インクの色域のことをいいます。モニタで見るRGBの色域よりは狭くなります。
 フィルムシミレーションのVelviaのような彩度の高いものを使うと、色域はCMYKを当然超えますので、モニターでは出ている色がCMYKでは再現できないことになります。なので印刷では超えた色をCMYKで再現できるものに変換する必要があります。 これは銀塩フィルムの時も同様でした。
 このポジからCMYKへの変換に、かつてはそれぞれの印刷会社に名人の職人さんがいて、写真家によっては指定する製版担当者がいました。 元データーの色を別の色に代えるのですから、その変換次第で写真の印象ががらりと変わります。 
 ところがデジタルカメラ全盛になって、その方たちの仕事がなくなり、今ではパートのおばちゃんがソフトの自動処理に任せて変換していることが多くなっています。なのでせっかくのデーターの色がCMYK変換で、写真家の意図とずれてしまうことが多くなっています。
 クラシッククロームの初期の要望の段階で、私が担当者に要望したのが、「できるだけCMYKの中で表現ができるように」ということがあります。完全にCMYK内ということではなく、CMYKに変えた時に大きな変化が出ない色域です。その色域で表現を完成させるために、担当者は「過去のグラフジャーナリズム全盛時の雑誌」を色々見てくださったのだと思います。
 印刷物にしたときに、クラシッククロームの良さは、また強く現れると思います。重い色調なのにシャドー部の階調がしっかりしているのも、印刷物でその良さが現れるはずです。このカタログ写真にはそれが現れています。
 報道写真家はコンピュターの前に何時間も座って、画像を加工したり、色調変換している時間がありません。撮ったデーターをそのまま入校しても、満足のいく仕上がりがいくデジタルカメラが必要でした。
 クラシッククロームはそんな報道写真家たちの、デジタル時代のスタンダード色になるのではと思います。たとえれば「名人の製版職人さんがカメラ内に入っている」ようなものです。

|

« 「ダムネーション」映画無料試写会のお知らせ | トップページ | 相生山のホタルへの想いを市長に伝えましょう »

コメント

なるほど、この発色は単なる雰囲気のバリエーションではなく、プリントを念頭においた発色でもあるのですね。なんだかとても納得できてすっきりしました。ありがとうございます。(富士フイルムもそれをしっかり主張すればいいのに。)
実はここ数日PowerShot G7Xがいいかなと少し目移りしていましたが、やっぱりX30いいですね。もうちょっと手のひらに収まる感覚がほしいので、しばらく悩んでみます。

投稿: みんむし | 2014年9月23日 (火) 05時34分

みんむしさん
 はい、プリントというか、オフセット印刷ですね。でもインクジェットの色域もS-RGBぐらいですから、このぐらいの色域の法が綺麗にでるはずです。またカメラ店のプリントとの相性もいいと思います。

投稿: 小原玲 | 2014年9月23日 (火) 15時46分

X100TとX30同じコンパクトデジタルカメラですが何処がどう違うのでしょうか?値段は100Tの方がかなり高いですがどうしてなのでしょうか?

投稿: すが | 2014年9月23日 (火) 19時26分

すがさん
センサーサイズの違いです。X100Tの方はAPS-Cで作品撮りにも向きます。X30の方は2/3型センサーで、作品撮りにはやや小さいかもしれませんが、それ以外の用途なら十分な画質です。
なのでX100TやX-T1などは写真作品を作りたいプロ・アマチュアに薦め、X30はそれ以外に写真を身軽に楽しみたい、仕事でつかう人(新聞記者)などに薦めたいと思っています。

投稿: 小原玲 | 2014年9月24日 (水) 10時39分

小原さん
なるほど、勉強になりました。
プリントって奥が深いですね。

投稿: Hironeko | 2014年9月25日 (木) 19時24分

Hironekoさん
 オフセット印刷は色域が狭いなかで、高度な仕上げをしないといけないので、とても難しいです。でもこのフィルムシミュレーションができたおかげで、ここからいじると簡単だと思います。

投稿: 小原玲 | 2014年9月27日 (土) 21時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: クラシッククロームと印刷物との相性の良さ:

« 「ダムネーション」映画無料試写会のお知らせ | トップページ | 相生山のホタルへの想いを市長に伝えましょう »