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2014年12月20日 (土)

XF56mmF1.2R APDの魅力はピント面とボケとの境界にあります

Apdcheck2

 昨日に引き続きAPDレンズの特徴です。
 XF56mmF1.2R APDレンズとAPDなしのXF56mmF1.2R(以下NONE)の比較で、後ろボケの比較は良く行われるのですが、一番の醍醐味は後ボケのエッジではなく、むしろピントが合った部分からボケ始める部分の境界線にあると思っています。
Apd_dsf8803
 上記は左のような構図で撮ったネコの一部トリミング写真を並べたものです。クリックして拡大できますので、ぜひ拡大してみて下さい。
(X-T1 XF56mmF1.2R APD)
 上段のAPDレンズのものは、まず瞳がとてもくっきりシャープです。そして猫のほほのあたりのボケ始めるところがとてもなだらかにボケていて、境界が判りません。
 中段のNONEのF1.2開放のものは、上段のAPDに比べて瞳のシャープさは少し劣ります。ボケの範囲は広がっていますが、その境界(
ほほよりも内側)は少し判るように見えませんか? ボケの中にシャープな部分が浮き上がっているような感じです。
 下段のNONEのF1.6の方は、瞳部分は上段のAPD同様にくっきりシャープです。そしてほほのあたりのボケの境界ですが、けっこう浮上がる部分が判りませんか?
ーーー
 このようにAPDレンズの一番の魅力は、ピントの合った部分から、ボケていく部分がとてもなだらかなことにあります。違いの重要さは背景のボケのエッジよりも、むしろこっちにあります。
 中段のF1.2の浅いボケも綺麗なのですが、上段のAPDや下段のF1.6ぐらいの瞳のシャープさも魅力です。なのでシャープでありながら、綺麗にボケていくAPDの存在意義があるのです。
 昔の開放では甘くてボケボケ(味がある?といわれていた)の中焦点レンズ、たとえばプラナー85mmF1.4などでは、そもそもピント面が甘くてこの境界の問題も起きていなかったのですが、XFレンズのように開放からシャープなレンズが登場したおかげで、この「境界の浮上がり」の問題が出て来たと思っています。
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 そして付け加えますが、このサンプル写真は56mmF1.2の再近接あたりでAFで撮影しています。APDレンズでAFが使えるというのもとても魅力です。フルサイズ一眼レフでは、そもそもこれだけの浅い被写界深度でのピントをAFで撮影するのは、機構的に困難ですので、こういう写真はセンサー面でピントを合わせるXシリーズとXF56mmF1.2R APDならではのものです。

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コメント

56mmF1.2の作例でずっと気になっていたボケの極端さ。
前ボケにしても後ろボケにしても距離感がわからず一気にスプレーをかけたようなボケを見ることがしばしばありました。
それがなだらかに自然であれば、これほど魅力的なレンズはありません。

1点気になっていることが、APDは像面位相差AFではなくコントラストAFオンリーになってしまうと読んだ記憶がありますが、AFの速度・精度に違いはありますでしょうか?

投稿: じゃいろ | 2014年12月20日 (土) 15時45分

じゃいろさん
 そうなんんです。XF56mmF1.2Rはとてもシャープなレンズだけに、このボケの境界がちょっと極端に感じられる部分がありました。APDでそれが解消されます。
 AF速度ですが、特に気になることはありませんでした。というかその違いを意識して使っていませんでした。まだ使いだして2日目なので、これから注意してチェックしておきます。

投稿: 小原玲 | 2014年12月20日 (土) 15時51分

小原さん、さっそくの回答ありがとうございます。

もう1点、質問忘れていたのですが、先日のお嬢さんの作例とこの猫いずれも寒色な傾向があると思ったのですが、たまたまでしょうか?
それともよりシャドーが締められて、控えめな発色(色を失う)になっていまうのでしょうか?

APDの開放とNONE1.6のシャープさが同等?というカラクリがまだ理解できていませんが、黒が締まってエッジが立つからシャープに見えるということなら、線が太い描写傾向にならないかなぁ、とそんな心配もしました。

投稿: じゃいろ | 2014年12月20日 (土) 16時27分

じゃいろさん
 昨日と今日のカットはクラッシククロームを使っています。それで寒色傾向に見えたのだと思います。
 
 APDフィルターは絞り開放あたりでは、エッジがグラデーションの絞りのようなものに相当します。それで被写界深度も増え、シャープさも向上します。

 線の太さ細さはピントの合った部分ですので、APDには関係ありません。この猫の写真3枚とも、非常に線の細い描写です。特にまつ毛に当たる目の上の白い毛の細さが良く描写されています。

 

投稿: 小原玲 | 2014年12月20日 (土) 19時11分

小原さん
度々のご返事ありがとうございます。
グラデーションの絞りという説明で何となく理解できました。
確かに猫のアップは、繊細な描写ですものね。

寒色かな?と思ったのは、APDとNONEと比較して思いました。言葉足らずですみません。
APDがNDフィルターの一種だと考えると、フィルターを通ることで本来の彩度を少し失って、暖色が寒色にシフトするのかなぁと。
単なる思い過ごしなら良いのですが、小原さんの2つの作例ではAPDと
NONEで色味の違いが確認できたので、気になって質問させていただきました。

それにしても、いや〜このレンズ欲しくなりますね。

投稿: じゃいろ | 2014年12月21日 (日) 01時41分

じゃいろさん
 いわれてみれば若干ですが色味が違うかなあ。ただ2つのレンズを別のX-T1につけて撮り比べているので、その際に差が出ているかも知れません。
 今度同じボディで付け替えで比較してみますね。

投稿: 小原玲 | 2014年12月21日 (日) 01時45分

素人のような質問なのかもしれませんが、お答え頂ければ幸いです。
最後に『そもそもこれだけの浅い被写界深度でのピントをAFで撮影するのは、機構的に困難ですので』とありますが、なぜ困難なのでしょうか?
そして、APS-CのF1.2の被写界深度はフルサイズレンズではF2?のレンズに相当すると思うので、その通りだとそこまで被写界深度は浅くないはずですが、どうでしょうか?

投稿: やすみ | 2014年12月21日 (日) 03時36分

じゃいろさん
 色味の違いの原因は、2台のボディのRGBモードが異なっていました。それが原因でした。

投稿: 小原玲 | 2014年12月21日 (日) 23時40分

やすみさん
 それは一眼レフはピントを合わせるセンサー面と、画像データーのセンサー面が別のものなので、その距離合わせの精度の問題があり、F1.2開放のような浅い被写界深度に対応できないからです。そもそも一眼レフのAFセンサーはF2.8でのピント精度を前提にしています。
 なので85mmF1.2のような浅い被写界深度のピント合わせは、ライブビューにしてミラーレスのように使わないと困難なのですが、その場合には液晶ラグやシャッターラグも発生して、時間的なラグも出ます。
 なのでプロの経験則として、大口径中望遠レンズは少し絞って使うのが一般的になっています。そして一眼レフのレンズは開放よりも絞った時に描写がよくなるような設計がされているレンズがほとんどです。そもそも開放ではAFでピントが合わないからです。
 これがX-T1のような画像面でピントを合わせるカメラだと、AFで精度の高いピント合わせができます。なのでXFレンズは開放性能も向上させた設計がされています。
 XシリーズとXFレンズの開放は、今までの一眼レフでは撮れなかった写真の世界を作っています。
 

投稿: 小原玲 | 2014年12月21日 (日) 23時51分

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