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2016年2月22日 (月)

CP+2016、 XF100-400mmF4.5-5.6R LM OIS WRの使いこなし

CP+2016のフジフイルムブースで、

<Xで始まる新しい動物写真の世界
~ストリートフォトのように動物を撮りたい~>
2月25日(木) 12:10-12:50
2月27日(土) 17:10-17:50
の2回トークを行います。
また3月にはビックカメラで
3月5日(土) 大阪なんば
3月25(金),26日(土) 札幌
が予定されています。また別途日程が加わる可能性もあります。
これらのトークでは、特に新しい超望遠ズームのXF100-400mmF4.5-5.6R LM OIS WRの使いこなし方についてお話できればと思っています。
1)背景がごじゃごじゃした被写体の場合はまず広めの画角で狙う
Adscf5722
XF100-400mmF4.5-5.6R LM OIS WRに限らないのですが、超望遠ズームレンズを使いこなす一番のコツは、最初から望遠端いっぱいで構図を組もうと思わない事です。小鳥のような小さな被写体の時には、ついつい大きく撮ろうと、望遠端いっぱいにしてから被写体に向けますが、それがピントを迷わせる原因です。
この写真のように200mmぐらいのワイド目の画角にしておいてから、まず被写体に向けると、AFはとても早く、また描写もとてもシャープです。できればまずこの段階で数枚シャッターを切っておき、被写体のいる環境も写し込みます。
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そして200mmでピントがあった状態かたズームで400mmに持って行くと、すんなりこの絵のようなピントがAFで合います。この絵のように逆光で背景に、木漏れ日と木々のようなコントラストがある被写体の場合には、ついつい背景にピントが持って井からがちなのを防ぐことができます。
一旦背景にピントが行ってしまうと、そちらの方がコントラストがあるので、なかなか手前の小鳥にピントが戻ってこれません。なので最初にワイド目にしてからピントを合わせ、そこからズームするわけです。
また同様にピントが迷う時には、そのままそれを繰り返すのではなく、ズームでワイド側に持って行って、被写体のボケを減らしてから合わせさせ、それからズームで望遠側に持って来るのがリカバリーが早いです。
2)「ゾーンAF+AF-C」と「スポットAF+AF-S」を使い分ける
A_dsf9017
そして慣れて来るとこの走るエゾリスのような、すばしっこい被写体の撮影も可能になります。この写真の場合には「ゾーンAF+AF-C」を用いています。上のシマエナガの写真は2枚とも「スポットAF+AF-S」を用いています。
このように被写体に合わせて、適切なAFモードと追随方式を設定することがとても大切です。なのでこの後の動きを予測して、私はこの設定を変えています。
そしてピントを追随させる場合には、フレームに被写体が入ったらすぐにシャッターを押し続けるのではなく、しっかり追いながら「ここぞ!」という時にだけシャッターを押してください。これはカメラにしっかり「何を狙っているんだ」ということを伝えるためです。一眼レフでも同じことは言えるのですが、そこそこ80点ぐらいの合焦はあるからついつい一眼レフユーザーはビデオカメラのようにパンしながら連続シャッターを切り出します。でもあくまでも「動体予測」なので「予測」しているのにすぎません。
一番良いピントは最新の動体距離測定からの予測からこそ得られるのですから、やたらめったらシャッターを押し続けない方がいいのです。
Adscf1912
このような雪の上のシマエナガの場合には、「ゾーンAF+AF-C」にしても、背景に木立がないので迷いませんが、上のシマエナガのように木立の中の場合には、背景に迷わされるので「スポットAF+AF-S」にするわけです。
これらが判ればXF100-400mmF4.5-5.6R LM OIS WRを使って動体を撮るのに、もう困ることはありません。カメラとレンズ自体のAF性能は、たとえばEOS7DMark2+EF100-400LⅡなんかの方が早い訳ですが、並んで撮っていて、そのセットを持っている人が逆に撮れずに、私だけが撮れたようなことも何度か経験しています。つまり撮影者の使いこなしさえしっかりできれば、最新の一眼レフでなくても同じ写真が撮れるわけなのです。もちろん私がそれらの一眼レフで撮ったら、より早く撮れますが、仕上がりの色や画質がフジのXの方が断然綺麗です。Xで撮れないのならもちろん考えますが、使いこなせば撮れますので、結果最優先でXを選ぶわけです。
そしてこれらの使いこなしをすることは、被写体の生きものの暮らす環境や行動を学ぶことにも通じます。実はそれが写真を撮る上で一番大事なのことなのでもあります。
(4点ともX-Pro2 XF100-400mmF4.5-5.6R LM OIS WR)

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コメント

小原先生、ご多忙の中ありがとうございます。とても参考になりました。アマチュアや自分の用な素人は技術をあまり追求せず機械に頼ってしまう所があると思います。少なくとも自分は笑。自分も先生とXシリーズに出会うまではEosを使ってました。EosはEosで良いのですが、先生とxシリーズに出会って、なんて温かみがあるような写真なんだろ。自分も撮りたいと思い今に至ります。まだ最新一眼の方がAFに関しては 部があると思いますが画質に関しては間違いなくXシリーズがNO1ですね!最近はただ連写して撮るのではなく、動きを予測して今だ!とシャッターを切る、その駆け引きがとても楽しいです。そうする事で無駄にシャッターを切らなくてすみますし案外ピントもちゃんときてるんですよね!先生のお陰で少し腕が上がった気がします!笑
CPもちろん参加させていただきます!
ちょっと眼と身体に持病がありましていつものマスクとグラサンで怪しいですが楽しみにしてます!インフルエンザが流行していますのでどうぞ、ご自愛下さい。

投稿: 菱 | 2016年2月22日 (月) 21時41分

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