写真集「シマエナガちゃん」はとっても短期間で作った本です。1月に撮影を開始して、6月中旬の巣立ちまで撮影を行い、7月に企画提出、8月にスタッフ打ち合わせ、9月で編集、そして10月に印刷というスピードです。
シマエナガを撮影しているカメラマンはプロアマを問わず大勢います。どうせ作るのならサッサと撮って最初に出してしまいたいと思ったからです。
と言っても半年で写真集1冊を構成できる鳥の写真を撮るのは、そんなに簡単なことではありません。
それを可能にしたのが、XF100-400mmF4.5-5.6R LM OIS WRという超望遠レンズです。このレンズは400mm側にテレコンを付けた開放でも、十分に作品が撮れる解像力があり、しかも身軽です。シマエナガのような動き回る小鳥を撮るのに必要な機動性がありました。
そしてズームレンズなので、広めの環境入れ込みの絵と、寄ったアップの絵を同時に撮影することが可能です。これが重要でした。
(X-Pro2 XF100-400mm *230mmで撮影)
写真集を構成するには、この「広めの環境入れ込みの絵」が欠かせないのですが、大砲レンズを付けた一眼レフではこれが撮れないのです。大砲と別にズームを持っていても、撮影中に取り替えて撮る余裕などありません。なので鳥カメラマンの多くは、環境絵を撮るまでに、2、3年はアップばかり撮ることになってしまうのです。
アップを撮るかぎりは、フルサイズ一眼+単レンズの大砲の方が写りもボケもいいのは確かですが、それを使っていたらとても半年で写真集に必要なカットなど揃えられないのです。
今の出版界で写真集を出して得られる印税は、せいぜい50万から80万の間ぐらいでしょう。大きい本は部数が少なく、小さい本は定価が安いので、同じような金額になります。その見込み収入の出版活動に2、3年も取材費をかけたら当然赤字になってしまいます。それをやっていたらプロではありません。
同様にこの本の撮影のために、60万超えのボディとか100万超えのレンズとか買っていたら、割があいません。大砲レンズと高性能プロ用ボディで撮って採算が撮れる鳥の写真集など、もはやこのご時世ではあり得ないと言っても過言ではありません。
X-Pro2, X-T2 (ドットサイトを使っています)にF100-400mmF4.5-5.6R LM OIS WRとテレコン2つという身軽さだからこそ、この本が作れました。ほんとこのレンズとボディの登場に感謝です。
そしてもう一つ大事だったのが、このスピードで本作りが可能な、有能なプロデューサー、編集者、デザイナーが揃ったことです。この短期間で企画を通して出版することは容易くはありません。
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