私は18年間「日本のホタルの原風景」を追い続けて撮影してきましたが、その取材を通して知ったのは、「安全で美味しい食べ物は、ホタルが知っている」ということです。ホタルが美しく輝く地には、必ず美味しい食べ物があり、そしてそれらは無農薬で安全な食べ物でもあります。今日はそれらをご紹介します。
1)蛍米
私はホタルが舞った田んぼのお米以外は食べたくありません。ヘイケボタルは農薬でどんどん姿を消してきた生きものです。そのヘイケボタルがしっかり残っていて、稲の成長を祝うかのように共生している。そういう田んぼのお米が食べたいです。
石川県白山市のおおた農場さんのお米はまさにそういうお米です。残念ながら昨年収穫の蛍米の在庫はすでに尽きてしまったそうです。しかし、今年の新米をご予約されておかれるといいと思います。FAXでの注文になります。このようなお米が買えるだけでも貴重なのですから。
他にお薦めできる生産地は山形県高畠町、宮城県七ヶ宿町です。これらの地も有機農業が盛んで、ヘイケボタルが多い水田が残っていて、真摯に米作りをされている方々がいます。
2)ホタルが好きなパン屋さん
ホタルが素晴らしく美しく舞う、大分県の豊後大野市に、「日本中のパン屋さんでホタルがもっとも好きなパン屋さん」があります。
キッチンウスダさんで、yama-cafeというカフェも併設されています。
このお二人は東京の有名なパン屋さんのパン職人とパティシェだったのですが、「田舎で子育てをしたい」という目的のために、この地に移住して、九州産無農薬の小麦とオーガニック素材とわき水を丁寧に濾過した水でパン作りをされています。もちろん天然酵母です。ハード系のパンが特に得意で、同レベルのパンは都会でも入手困難かと思います。
この方たちの住む地はホタルに囲まれています。そしてホタルと共生するかのようにご家族が暮らしています。住み出してしばらくしたら、町の方が勝手に電信柱を生やして街灯を点けようとしていたそうですが、「私たちは街灯がないからこの地を選んだのに」と奥さんが怒って、生えかけた電信柱を4本ぐらい引っこ抜かせて持って帰らせたそうです。おかげでこの地はホタルが日本でも一番綺麗に舞う地の一つとして残りました。そんな方々が作るパンをホタルが好まないわけがありません。
3)ホタルと共生している人が作った酵素シロップ
大分県の白山川からはもう一つ、
タオ・オーガニック・キッチンさんもご紹介させてください。ここの代表の米澤陽子さんもこの地に移住して、18年間自給自足を続けてきた本物のナチュラリストです。白山川のホタルが舞う景色を見てこの地を選んだということです。移住してきた当時は時節柄から「オウム?」と呼ばれたそうで、そんなこんなを乗り越えてお子さんたちを育てて来ました。
このタオ・オーガニック・キッチンの酵素シロップはとても素晴らしいです。なんでかと言うと素材が天然の植物そのものだからです。自生している野草の酵素で発酵したシロップですのでパワーが違います。すぐに売り切れてしまう大人気のシロップなのであまり教えたくないのですが、ホタルと食べ物といったら、この店を欠かすことはできないでしょうから。
(7/1現在酵素シロップは売り切れ中ですが、来週には新しいのが入荷されるそうです)
ホタルが美しく舞う日本の原風景はこのような、ホタルと共生している人達のおかげで残っています。その風景を次世代に伝え残したいと私は写真を撮っています。
そしてその方々が作られている食べ物は、まさしく次世代に伝え残したい食べ物であると思っています。このような食べ物を作られている方々に感謝です。
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