2012年8月27日 (月)

DP2merrill のモノクロはいいなあ

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 一旦返したDP2merrillですが、もうちょっと試用させていただけることになり、色々試しています。このカメラを使っていて一番楽しいのは「お散歩カメラ」です。京都の伏見を散歩して、出会ったふるいお風呂屋さんの石壁、ただ向けて撮っただけですが、シャープなこのカメラだったら「絵になって」しまいます。
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 中央部のトリミングです。ものすごい解像力です。ここまでの描写を小さなカメラで撮れる楽しみは大きいです。同じものを他のカメラで撮っても、ここまでは面白くないでしょう。
 カラーも日中なら決してダメではありません。独特の渋いカラーを作り出すこともできます。が、このカメラの面白さはモノクロでより強調されると思います。
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 こういう日陰のシーンでは色かぶりが出てきますので、モノクロの方がいいです。ちょっと「黒焼き」にして猫を強調してみました。お散歩しながらこういった作品が作れるのは楽しいですね。
 いいモノクロプリンタを持って、このカメラで遊べば、とてもいい趣味になるだろうなと思います。


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2012年8月21日 (火)

SIGMA DP2 Merrill vs X-Pro1 カラー

しばらく試用させていただいたSIGMAのDP2merrillですが、ペケプロちゃんと色々比較してきて、解像力はあきらかにDP2mの方が上と思いました。というか、現行のデジカメで最高峰でしょう。
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 DP2mです。非常にシャープですが、ここまで描写した人肌の写真を好む人はあまり多くないのでは。毛穴や産毛や、肌の表面がこれでもかと描写されています。琴子はすっぴんですが、お化粧をしている女性だとファンデーションの塗りムラまできっちり描写してしまいます。
 ただこの描写のしすぎは、Photoshopなどでソフトフォーカスをかけるような処理を用いて、抑えることはできます。なので決定的な欠点というわけではありません。
 DP2mの一番の問題は「色かぶり」かなと思います。被写体や照度によって、マゼンダかぶりがあったり、緑かぶりがあったりしますが、人物では肌色のシャドー部が黄色くかぶります。これは同じセンサーを使っているSD-1も同じです。このカットでは、眉毛の間と口の左右にそれがあります。
 この人肌の黄色かぶりが私はこのカメラの一番の弱点かなと思います。なぜならこの黄色かぶりは後処理でとても抜きにくいからです。現像ソフトのアップデートでなんとか改善して欲しいです。現状ではRAW現像時に彩度を下げると黄色かぶりは目立たなくなります。

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こちらはペケプロちゃんです。人肌の記憶色を意識したような色合いがでてきます。そして必要以上にシャープでない、折り合いの良い描写だと思います。

Hikaku
 両方のカットの中央部を並べてみました。両方のカメラの特徴がよく判ります。
 それにしてもDP2mの解像力はすごい。このカメラの良さを生かす被写体や撮り方を模索してみたくなるような不思議な魅力は、このカメラにはありますね。
 ただし、同時にただ解像力が高いだけではカメラとしては不十分という面があることもいえると思います。DP2mの描写のすごさに驚くとともに、ペケプロちゃんのバランスの良さを改めて見直します。

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2012年8月14日 (火)

DP2Merrill は最高のモノクロームカメラで、カラーはおまけ

ここしばらく試用させていただいているシグマのDP2Merrillだが、以下のような欠点があった。
●光の多い日中はそこそこの色が出るが、光が少ない場所ではマゼンダかぶりなどがあり、いい色が出ない。
●高感度の画質が良くない、ノイズ処理を併用してせいぜいISO800ぐらいが限度か。
●電池の持ちが非常に良くない。
●被写体(ポートレート)によっては高解像力が仇となって、毛穴の一つ一つまで描写され、ちょっと見苦しい。

しかし、これらの欠点のうち電池の持ち以外は、あることで気にならなくなる。
それは「モノクロで撮る(現像する)」ことだ。残念ながらJpegの画質はモノクロでも良くないので、Jpegは使わず、RAWからモノクロに現像する。私が知る限り、現在のデジタルカメラで最高峰のモノクロ描写が得られる。ライカM9モノクロームは使ったことがないので比較できないが、多分に匹敵するか、超えているのではと思う。

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昨日もアップしたブナ林での琴子の写真です。この絵を見て、モノクロの良さに気付きました。

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先日カラーをアップした白樺林の中の琴子です。周辺を焼き込んだりしていますが、モノクロでのこういった処理はとても楽しい。

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このカットはISO3200で撮った全体です。
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それを等倍相当にトリミングをしたのがこのカット。
Lightroomのノイズ軽減をかけて、シャープを多めにかけていますが、ISO3200の等倍相当アップで、これなら十分使えるのではないでしょうか。

こうなるとこのカメラ「カラーがおまけについた最高級モノクロームカメラ」と考えた方がいいのではと思ってしまいます。カラーとして考えれば、他にもっといいカメラもあるわけですが、モノクロなら現在最高なのではないでしょうか。

少なくともニコンやキヤノン、またペケプロちゃんでもこれだけのモノクロは出せません。ベイヤー配列のカメラは4画素から一つのモノクロ情報を得ているようなものです。それに比べ、FOVEONはすべての画素がモノクロ情報を持っているわけですから、モノクロがいいのは当たり前なのかもしれません。

ちょうど大きさから言って、L型ライカに沈胴エルマーを着けたかのような気分です。こんな小さなカメラでこれだけの描写のモノクロが出てくるのは、とても楽しいです。


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2012年8月13日 (月)

SIGMA DP2Merrill のテスト

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志賀高原の琴子
SIGMA DP2Merrill ISO100 1/250 F5.6
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上の琴子の写真の等倍相当のトリミング。琴子の肌でこの描写だと、普通の女性ポートレートでは、ちょっと厳しい描写になるでしょう。

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石の湯ロッジと白樺
SIGMA DP2Merrill ISO100 1/250 F5.6
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上の写真の等倍相当のトリミング。すごい細部描写にびっくりする。

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アザミに来ていたハチたち。このくらいまで寄れる。
SIGMA DP2Merrill ISO100 1/125 F5.0
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上の写真の等倍相当のトリミング

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奥志賀高原のブナ林
SIGMA DP2Merrill ISO200 1/30 F8.0
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上の写真の等倍相当のトリミング。こういう写真には持ってこいのカメラですね。

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番外編で帰路に立ち寄った東京築地でのお寿司。こういった室内料理スナップは、ペケプロ1がとても得意なのだが、DP2Mは色や開放F値の暗さから、あまり得意ではない。ただスナップするだけでは美味しそうに写せないですね。

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モノクロはとても良いですね。この写真はPhotoshopで色々調整して仕上げていますが、モノクロにするとぐっと写真が上品になります。モノクロカメラとしては、使ったことないけど、ライカモノクロームに匹敵、むしろもっといいのではないかなとさえ思います。

この数日使っての感想:
人物:△ ちょっと描写が緻密すぎて、毛穴の一つ一つまで写ってしまう。解像力がアダとなりますね。肌の色もペケプロ1などに比べると、けっして良い訳ではない。
建物:◎ レンズの画角の問題はありますが、それさえ除けばとても向いているでしょう。素晴らしく緻密な描写をします。
マクロ:まあまあかな。
風景:◎ すばらしく風景向きのカメラでしょう。トリミングを積極的に使えるので、標準ズームぐらいの範囲はカバーできるでしょう。
料理:△ 感度が低い、室内での色があまり良くない、開放F値が暗いなどから、ちょっと不向き。
スナップ:△ スナップにはもっと向いているカメラが色々ありますね。
モノクロ:◎ とても向いていると思います。むしろモノクロカメラとして評価したいぐらい。

ペケプロ使いの私としては、日中の風景とモノクロの場合にこのカメラを使ってみたくなります。非常に限定されますが、サイズが小さいので存在価値は十分あるかな。

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